zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

尾身会長五輪中止発言。接触回避のみに徹する氏の消極的受身の手法からは当然の帰結。今必要なのはウィルスをターゲットとする攻めの手法:(a)市中の主感染源=無症状感染者の隔離・治療、(b)ワクチン接種。ともに大規模一気の実施で展望開ける。政府・地方自治体は攻めに転換すべき。

*)尾身氏五輪中止勧告。感染源放置の氏の手法からはほかに手の打ちようのない当然の帰結。
 尾身会長以下コロナ対策分科会の感染対策手法からは、現在の状況に至ってはコロナ終熄への展望は得られない。五輪中止という結論になるのははじめからわかっりきったことである。


*)コロナ対策の誤りと五輪中止
 市中に出れば周囲には感染源がうようよいるのである。そしてそれはごく普通の健康な健常者と変わりない外見である。こうした市中の感染源には手を付けず放置、ひたすら接触回避のみに全エネルギーを使う。これで感染が終熄できるだろうか。導き出される結論は感染克服できない悲観的未来のみ。そしてその原因をオリンピックのせいにする。問題が違うのではなかろうか。
 接触回避以外の発想は決して出て来ない尾身会長からは、五輪中止はほかに手の打ちようのない当然の帰結である。


*)日本のコロナ対応の二つの誤り
(1)初動対応軽視
 パンデミックには初動対応が重要。これをおろそかにすると感染は拡大してしまって手に負えなくなる。
パンデミックに対する基本的対処原則:
 できる限り初動段階で手を打つ。スピード・時間が勝負。
初動段階で手を打つのが最も効果的でかつ対応が楽である。


この原則に対して日本の対応法はどうか。
 初動対応せず症状の経過を見て、若壮年者に多い無症状感染者は放置し、重症者のみを治療する。
 この外見上健常者と変わらないが、強い感染力・伝染性を持つ無自覚・無症状感染者の放置により、クラスターが次から次に発生し感染拡大・感染爆発に進行したのである。彼らはウィルスを撒き散らすとともに、次の重症者予備軍でもある。
 この認識の誤りは日本中の医師に共有され、今もそのままである。そして変異ウィルスになって彼らは無症状ではおさまらなくなり、すぐに発症して重症化し、現在医療をさらに圧迫しているのである。


(2)感染源(本源)を放置し、感染伝播プロセスの最末端の接触回避のみを行う。
 感染プロセスの本源:ウィルスおよびその担い手(感染源=無症状感染者)には手を付けず放置したまま、感染伝播プロセス最下流の接触回避のみに注力する。だから市中の大量の感染源は決して無くならない。
 方式を改めない限り、感染拡大・爆発は必至、いつまでたっても対処しきれない。


*)尾身方式の限界。
 医師であれば他の発想も出てよいと思うのだが、尾身氏からは公衆衛生疫学的手法から決してはみ出ることはない。その発想の柔軟性の無さには驚くほどである。全国のTVニュースの解説者で公衆衛生学の専門家は皆同じことを言う。そして五輪を止めよと言う。他の専門領域の医学者は少しニュアンスが違うように思う。
 尾身氏の専門の範囲内でしか考えられない限界を示すものだ。広い医学領域からの見解としてはきわめて視野が狭い。医学本来の観点から分野横断的に俯瞰して方向性を打ち出す専門家が必要だ。医学者としてこれはとりたてて特別なことではない。


*)尾身方式の限界から攻めの手法に転換せよ。
 感染爆発し感染源が蔓延してしまった現在の状況における対策は、感染源そのものを叩く攻めの手法、医学主流のウィルスや病原菌そのものを叩き駆逐する攻めの手法に切り換える必要がある。
 接触回避よりもウィルスに対する攻めの手法:
(a)臨時病院設営による無症状感染者の隔離・治療
(b)ワクチン接種
の実施が必要であり効果的である。


それも感染増加スピードと桁違いに高いスピードで行わねばならない。したがって堅実安全に定速度で長期間で行うのではなく(感染増加と競合するスピードでは効果は出ない)、大規模一気に短時間に集中して行わねばならない。


*)尾身方式の呪縛から脱却し、攻めの手法に転換せよ。
 国民は皆あるいは多くは、尾身氏は専門家だから、かつ政府のコロナ対策分科会の会長だからその言うことは正しいと考え、その前提の上に立って、あるいはその手のひらの上だけで考え感情的にもなる。
 TVニュースステーションのコメンテーター、四大新聞社説、野党、地方自治体、政権の一部も、尾身会長以下コロナ対策分科会の認識の枠内でしか考えられないために、五輪中止、五輪反対、五輪が悪いとなるのである。


彼らは問題の原因を取り違えている。
 五輪のせいでコロナがはやり、治療が受けられないのではない。五輪をやめればコロナは終熄し問題は解決できるか。
 五輪以前の現在ですら、感染爆発が起き止められないのである。原因は五輪ではない。現在の対策手法が悪いからである。
 ここまで事態が悪化したのは、無症状感染者(=ほとんどの/クラスターの感染源)の放置という日本の、即ち尾身会長以下コロナ対策分科会の、対策の誤りと、菅首相の常に対策に後向で後手後手と回る対応のまずさのためである。


このままでは五輪開始まで時間が無い、見通しが持てないと思うばかりであったが、ここにきてともかく菅首相が攻めの手法の一つ、上記(b)のワクチン接種、それも大規模一気の手法に超法規的措置を講じて踏み切ったことによって、ようやく五輪の実現性に先が見えてきた。


*)ワクチン接種、1日100万件を実現すれば効果あり
 本来はこの大規模一気の手法をもっと以前から実施し、上記(a)の手法、専用臨時病院を設営し無症状感染者を隔離・収容・治療することによって、市中の感染源密度を劇的に下げる。これが最も即効性のある対処法であったのだ。-これを同様に指導者のリーダーシップによる超法規的措置、できれば民間活力も取込んで実施すべきであったのだが...。
 ともかくやっともう一つの攻め手法:大規模ワクチン接種を始めたのだ。
菅首相は1日100万件接種と言うが、本当にそうなら効果が出る。問題は1日100万件を実現することである。
 東京都で1日1万人接種会場を設営したが、人口1千万人の東京に対しては1日10万人接種でなければ効果は出ない。小池都知事は尾身氏の手法から認識を転換し、攻めの手法に全力をあげるべきである。


*)尾身方式の緊急事態延長は効果薄いが、大規模一気のワクチン接種を前倒しして集中実施すれば格段に有意義となる。
 緊急事態を延長してもほとんど意味が無い。尾身氏の手法のままではいくら緊急事態を継続しても問題の解決はできない。市中の感染源には手を付けず放置したまま、新規感染者は減ってもウィルスも感染源も残したままだからである。


為政者(政府、小池都知事、吉村大阪府知事)、五輪関係者は尾身氏の思考方式の呪縛から脱却することが必要である。
 この期間にワクチン接種を大規模一気に集中的に行えば、この期間は感染者の増加が押さえられているから、ウィルスを攻撃する効果は格段に高まり、積極的な意義のある期間に成り得るのである。本来はもう一つの攻めの手法で最も基本的な手法、感染源を取り除く(a)の手法、即ち、無症状感染者の隔離・収容・治療を併用すれば一層効果的なのであるが、いまはそこまで手が回るまい。


*)今後の指標となる世界標準を打ち立てる東京五輪
 五輪参加者にはもっと早くからコロナ対策の条件を明示すべきだったのである。これは今後のパンデミック下で開催する国際大会の世界標準となるべきものなのだ。


一般の人々からは、五輪関係者がワクチン接種で優先されるのは不公平だという不平が出る。それを恐れて東京五輪・パラ組織委はなんの条件も提示しない。だから世界中のオリンピック関係者にはどうすればよいかわからない。国民にも先が見えない。
 最近になってワクチンの提供の申し出があって、具体化してきた。本来は開催国日本が参加に対する必要条件を率先して世界に提示するべきなのである。本国での検査・陰性証明、ワクチン接種・証明を得て出国、日本入国時に検査、証明チェック、一定期間ホテル滞在を経て、選手村・競技場に入る。
 こうした陰性証明(陰性パスポート)、ワクチン接種証明(ワクチンパスポート)を義務づければ、入国・参加のハードルは高くなるが、そのかわり安全性の確保は格段に容易になり、それほど人数を絞らずに選手団も関係者もさらに海外観客も受入れ可能になるはずだったのである。


*)パンデミック克服に貢献し、全世界に夢を与えるコロナ状況下の五輪開催
 こうした参加のための高い拘束条件には不平が出るだろう。しかし一時的に不平が出ても、これらは安全に国際大会を開催するための今後の指標となる世界標準になるべきものである。不公平感から世界中の人々から不満は出るかもしれないが、その必要性をよく説明し理解を得る。こうしたレールを敷くことによって、参加しようとする国々、人々は皆こぞって、この条件を満たそうと努力する。そのことがひいては波及効果として人類のコロナパンデミックに打ち勝つ努力をもたらし、状況の加速的な改善に貢献するだろう。


*)民間活力を積極的に活用せよ
 それでもオリンピックには人手が足りないだろう。菅総理は命令による権力での指揮実行への指向が強いが、もっと民間からの協力とその柔軟性のある活力を汲み上げ、積極的に活用すべきである。特に医療関連資格が無くともできるロジスティック関係ほかの後方業務支援には単なる自主的協力だけに頼るのではなく、積極的に金を落としてよいのではあるまいか。むしろこれこそコロナ特需でありオリンピック特需としてコロナの負の状況をプラスに転じる経済効果になるものである。

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