*)日本の航空機を特集したフランスの雑誌 40年以上前のパリであったか(あるいは記憶違いで、15年位前だったかもしれない)、書店で日本の航空機を特集したフランスの雑誌を見つけたことがある。写真の豊富な随分と専門的な、日本でもこれほど多くの飛行機をカバーした本は見たことがないほどであった。戦後の日本の航空機は、海上自衛隊に納入された一部の飛行艇などを除けば、ほぼ旅客機のYS11だけだから、掲載さ…
*)ベレンコ中尉死去のニュース ベレンコ中尉-その名を知っている人は多くはないだろう。 数日前(令和5年11月下旬)、ラジオから米国で死去したという短いニュースが流れた。 こんなことがニュースになるのか、という気がしないでもない。 翌日、新聞には10行程度か、小さなニュース記事が確かに掲載されていた。 73才というから、団塊の世代である。 *)秘密のベールに閉ざされた世界最強のジェット戦闘機函…
*)台湾有事と反スパイ法 いまの習近平中国にとっては台湾有事が最重要課題である。現在進行中の中国国内外の動きはすべて、この発想から俯瞰すると理解できる-国内人員動員体制、情報管理、海外での警察行動、反スパイ法の恣意的運用、中露両軍の軍事協動行動等々。 *)相矛盾する要求:反スパイ法施行、しかし投資は大歓迎と 一方で反スパイ法で情報統制と人民管理・統制を強め、日本をはじめとする外国企業の人間に…
*)次の出番-中国にとっての先行指標 しかし現実はそうはなっていない。 現況からすれば、この戦争が長引き、その挙げ句ウクライナが低迷し勝利が決して得られない・抵抗は無駄だと判明し国民の士気が衰えて継続困難になり、ロシアの勝利に終わる-こうした状況が望ましいだろう。 *)和平仲介はポーズ ウクライナは停戦、平和、独立国家としての安全保障を希求し、中国に和平仲介の役割を期待する。そして国際社会の…
*)中国のサウジアラビア-イラン紛争和平仲介 先に中国はサウジアラビアとイランの和平を仲介して調印にまで持ち込み世界を驚かした。 スンニー派とシーア派の決して相入れぬ教義を任ずる大国同士の対立である。その教義上の相容れぬ対立からすれば、決して起こり得ぬ、何人(なんびと)も予想し得ぬ出来事であった。 互いになにものをも生み出さぬ不毛な争いを続けるのは得策ではないと内心思っていたのであろうか。…
*)本論(核エネルギー取出し)以前の粗漏な周辺技術-失敗を繰返す日本の原子力 (1)原子力船むつ-放射能漏れ 日本初の原子力船むつは、処女航海に出たところで、放射能漏れが発見され、その後の開発は当初の目標から大幅に遅れ、不調な事業になって終了した。 別に放射能汚染を起こした訳ではない。出航前の試運転でこうした不具合を出し切って改善を済ませておくのは当然のことと思うが、できなかったのだろうか。…
*)実現には二つの人類未踏の山を越えねばならない 一つは信頼性のおける液体金属ナトリウムの冷却システム、二つ目は原子炉本体の、高速中性子によるプルトニウム増殖核反応の制御と臨界(入力エネルギーまたはプルトニウムよりも出力エネルギー/プルトニウムが小さい方から、等しく=臨界になり、より大きくなる方向への境界)の達成、それに続く、より大きなエネルギー出力の実現である。 ともに小規模、一時的に実施さ…
*)中国で高速増殖炉建設とのニュース 新聞であったか、インターネットであったかを見ている時に、チラっと中国が福建省で建設中の高速増殖炉云々という小さなコラム記事が目の片隅に映り込んだ。 「高速増殖炉」-しばらく聞かない用語である。このところ新聞紙面などから使われなくなって久しい。 *)日本の国策としての高速増殖炉 かって(1960-1970年代)、原子力発電が実用化され、大学での原子力工学…
*)いま何故モスクワに行くのか 習近平は近いうちに、訪露を予定していると言う。 在職への年齢制限の規約を改正した上での、3期目主席再任をなし終えた後、プーチンとは既に中央アジアの会議で会っている。ウクライナ戦争支援へのプーチンの要請に対し、習近平は軍事的支援には踏み込まなかった。 *)習近平の思惑 それを何故あらためて、それも自身がモスクワに出向いてまで、行く必要があるのか。 ウクライナとの…
*)習近平は誰のためにモスクワへ行くのか 数日前、「習近平の訪露」と題し、なぜいま自身がモスクワに行くのかという点について、考えを投稿した[1]。その後、本件に関するTVニュースの報道ぶり、放映内容を見ていると、筆者とは認識にだいぶずれがあるように思われた。サブタイトルを追加して再度投稿することにした。 *)的外れの報道局視点 ニュースはすべて、ロシアへの武器供与の有無、ウクライナ侵攻の終結…
*)昨年正月、著名な国際関係評論家の年次見通し 昨年(令和4年)正月、1月10日前後であったろうか、NHKラジオ第1放送でこれから始まるその年の国際時事関係を考えるというような番組があった。 いろいろ論じていたが、最後に、その当時の安倍元首相の発言「台湾有事は日米同盟の有事である...」とか言っている。さらに「北朝鮮のミサイル発射は危険だ、放置してはならない」と言う人もいる...、と、こうし…
*)今日ほどNATOの価値が高まり渇望される時代は無い ゴルバチョフの活躍、東西冷戦終結、ソ連崩壊の頃は、NATOは時代遅れ・もはや意味も関心も持ち得ない過去の遺物と思ったものだ。 それが今日ほどその価値が有り難がられ、渇望される時代はかって無い。 *)恐怖か?、自由か?-プーチンの言い分と周辺諸民族の自由への希求 プーチンの言い分は、NATOはこれ以上、東方に拡大しないと言った(約束した…
*)ロシアの文化と国民性 ウクライナ侵略中のプーチン政権下のロシアの若者達の中に、牢屋にぶち込まれ、戦争最前線に送り込まれる可能性があることがわかっていながら、敢えて戦争反対のデモに参加し警官に暴行されては投獄されてゆく者が常にいる。 農奴解放をめざしたナロードニキ、死刑直前に減刑されシベリヤ送りになったドストエフスキー、良心に従うままスターリンに粛清された者達、彼らはいずれも犠牲者であった…
*)フルシチョフの墓標。さてゴルバチョフは?。 ソ連・ロシアで最大級の功績があった人間は赤の広場に葬られるそうだが、フルシチョフは一僧院に葬られたまま、顧(かえり)みられることなく、これからも無さそうだ。 *)抽象画問題 かって美術界はピカソに代表される抽象画一色で、日本でも1960年代半ばまで具象画を描くことは古い、遅れているという感じがして、そのような絵を描くことは躊躇されるような気がし…
*)共産主義革命の成功は皇帝専制主義の発達した大国でのみ成立か ソ連・中国・北朝鮮の共産主義国家では、壇上に並んで政治的(権力の)序列を顕示する。こうした習慣はどこから来たのか。古代から都市が城壁で囲まれている地域-西洋でも東洋でもほとんどがそうである-で生まれてくる発想ではないか。少なくとも日本では文化的にも精神的にも馴染まない習慣であるが、都市の形状からしても構造的にもあり得ない。 これ…
*)政変に遭う外遊ソ連指導者 ソ連・ロシアではよく外遊する指導者はクーデターや政変に遭(あ)う確率が高い。 リベラル志向雪解け・デタントソ連指導者はことにそうである。彼らは一般に西側世界で評判が良い。国外で派手に振る舞っているうちに、国内では保守派が根強く巣喰っており足元をすくわれる。 スターリンは外遊したことがあっただろうか。あまり記憶が無い。ヤルタ会談は一番すぐに思い出され海外首脳との会…
*)ソルジェニーツィンの「イワン・デニーソヴィチの一日」出版 1956年フルシチョフの権力掌握、スターリン批判秘密報告後の雪解け政策、粛清者名誉回復により、ソルジェニーツィンは解放され、1972年にラーゲリ(強制労働収容所)の生活を描いた「イワン・デニーソヴィチの一日」を出版した。 それまで公開出版など全く考えられなかった、粛清者の運命-処刑されたり、シベリヤ送りになったり-に関する著作が話…
*)フルシチョフ-ゴルバチョフに先駆け、自由化導入を志向したソ連指導者 米国に追い付き追い越せと言って、社会主義の優越性を説き、国連で数時間にわたる米国の弾劾演説を行う。自由主義圏を圧迫する、ゴリゴリの共産主義者という印象ばかりあったが、そのソ連内部では、共産党総会の秘密報告でスターリンの個人崇拝主義、粛清を批判していた。西欧社会に見せる印象とは異なり、ソ連共産党内部でそうしたことを行っている…
*)安倍氏死去の後、時代を画した世界的リーダー・元首の死去相次ぐ 安倍元首相が銃撃死した後、短時日のうちに英国ジョンソン首相辞任、旧ソ連大統領ゴルバチョフ氏死去、英国女王エリザベス二世死去と続いた。いずれも時代を創り、時代を画し、時代を代表した元首・政治家である。 *)今日の世界を現出させた不世出の指導者:ゴルバチョフ エリザベス女王はもちろん国葬、安倍首相も国葬であった。 ゴルバチョフの葬…
*)ウクライナの地政学的安全性 たとえ停戦が実現し平和が戻ったとしても、ウクライナの国土の大部分はユーラシア大陸の中の大平原であり、地政学的に外敵に対して防衛するのが非常に難しい地勢にある。 安全保障を講じたとしてもロシアがその気になれば、いつでもミサイルを打込み、戦車部隊が侵入して国土を蹂躙することが可能である。 こうしたロシアのやり方をバルト三国、ポーランド、モルドバ、フィンランドなど…