感染拡大の構図は埋み火(無自覚無症状若年感染者層)の上で燃え上がる薪/たきぎ/(高齢者)のようなものだ。容易に重症化して顕在化する高齢者を治療するだけでは終熄しない。市中に潜伏する火元(無自覚若年感染者層)を重点的にコントロールしなければウィルスは制圧できないだろう。
①昼カラオケで高齢者から高齢者に感染しクラスター化。しかしそこにウィルスを持ち込んだ高齢者は誰から感染したのか。
②若者の宴会でクラスターが発生する。ウィルスを保持した無自覚無症状の感染者がいるということである。
この若者は宴会で発覚する以前に、無自覚のまま市中を徘徊し同じように伝染させていた可能性は十分にある。それが高齢者であった場合、容易に重症化し顕在化するから、こちらにのみ注意が払われ、その原因を撒き散らしている無症状若年感染者は放置されたままになる。
重症高齢者は隔離されるから、その感染伝播性は小さい。しかし無自覚若年感染者は市中に潜伏したまま無意識のうちにウィルスを撒き散らす。
ウィルスを制圧し打ち勝つためには、この若年者層を重点的に治癒させねばならない。
東京都は夜の街、例えば新宿など、を中心にウィルス検査を進めてきた。その結果、洗い出されてきたのは、若年~壮年層の感染者である。これまで重症高齢者のみ目立っていたが、これが日本の感染者分布の本当の姿だろう。
緊急事態宣言の全国拡大が決まった時、米国大使館は日本は検査率が低く危険だから脱出するようにと在日米国人に勧告した。感染爆発が拡がる米国より日本のほうが安全だと思っていたものだが、ここにきて検査数を拡大してみたら潜在感染者が多数洗い出され、米国大使館の指摘の半ばは正しかったということになる。
その多数が若年~壮年層ということだ。
若年~壮年層は重症化しないから大丈夫とか、入院は重症高齢者優先で軽症若年者は自宅待機などと言っているが、これは重大性を取り違えている。
重症高齢者だけで手一杯で医療崩壊に迫られているというのはその通りである。
しかし彼らは感染源ではない。感染被曝者(火元の上の薪/たきぎ)である。
肝腎なのは火元(無自覚無症状若年感染者層)をコントロールすることだ。
発生源を押さえなければ、今後、際限無く拡大するばかりだろう。
目に見えない感染者(若年~壮年層)の制圧こそが根本的な最重要課題である。
ウィルス対策の重点ターゲットをシフトさせる必要があるように思う。