zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

凋落のものづくり日本--知育と衛生学習を兼ねて小中高校・各種専門学校でマスク作りの授業を。子供向け雑誌にはマスク手作りキットを付録に。

(1)輸入品のマスクに神頼みのものづくり日本
 最近ようやくマスク求めに血まなこにならなくてもよくなった。しかし今回のマスク不足には考えさせられるものがある。
 マスク不足真っ最中の2月、3月頃、TVや新聞で専門家と称する人達の中には、ウィルスを通すからマスクはつけても効果無いとか、洗って再使用するのは絶対にやめよとか、下手にあり合わせのもので手作りするとかえって危険だから絶対にやらないでほしいなどと言う。
 こういうことを言われると、専門家の意見だから逆らえない、新しく買ったものでなければ使ってはならないという強迫観念が植え付けられる。マスクはほとんど輸入品、それも中国製である。
 そうすると輸入待ちで、マスクを付けずに過ごさざるを得ない。感染が蔓延するばかり。


(2)自作マスクのウィルス遮断効率と使いやすさ
 たかがマスクで日本中が動きが取れない--なにかおかしい。
 専門家の意見だから科学的であると見なされるが、これらの主張は科学的とは言えない(←もちろん科学的なものがほとんどだが)--なぜか?
 そこには定量性、定量的な評価がない。単に良い、悪いと言うだけでは科学ではない。
感染の確率が大きい(100%)ほうから小さいほう(最低0%)までのどの程度のリスクなのかという考察と評価があってはじめて本当の科学である。すべて一緒くたにして、単に良い/悪いと言う。それは一つの可能性であってすべての条件でそうなるわけではない。「悪い」とか「毒性」とかいう言葉があると、マスコミはすぐに飛びつく。そしてデカデカと太字の見出しとなって誌面や画面に踊ると、国民の注意は否応なく引きつけられる。


 我々の髪の毛の太さはおよそ100μm(ミクロン)(=0.1mm)、細胞はその1/10の10μm、細菌はそのまた1/10の1μm、ウィルスはさらにその1/10よりも1/20に近い50nm(ナノメータ)。結局、髪の毛の太さの1/2000位の大きさである。だからマスクの網の目などよりもはるかに小さくすり抜けることは可能である。


だからマスクをしても意味が無いか?
 この主張には定量性が欠けている。ウィルス1個に曝されるのと何百万個に被爆するのでは感染の確率は全く違う。
 手術室など皮下の体内組織が曝露されている場合、あるいは抵抗力が著しく低下している高齢者やがん・糖尿病患者などでは厳密な殺菌、防護が必要だ。
 しかし健常者の一般日常生活においては99.9%や99.99%さらに99.999%を狙うのは実際的ではない。労多くして益少なし。活動が不自由になりその割りには生産性が著しく低下する。


 今回の新型コロナウイルスは飛沫の影響が大きい。飛沫をじかに浴びるのと、遮断するのとでは感染性に格段の違いがある。
 飛沫の曝露を防げば相当程度のウィルスをカットできる。最近よく使われるようになったフェイスガードは脇や下はガラ空きだが、楽だし飛沫は防げる。


(3)学校教育でマスクの作り方の授業実施を
 科学技術立国と言いながら、最近の地盤沈下はひどい。その一因は教育にあるのかもしれない。輸入しなければなんの動きも取れない情けない状況を克服し、ものづくり日本を復活させるための一助として、学校教育でマスクの作り方を体験することを提言したい。
 小中学校・高校・各種専門学校のカリキュラムにマスクの作り方の授業と実習を加える。また子供向け雑誌にはマスク手作りキットを毎年1度は付録として付ける。子供が一度は経験する仮面遊びの延長ととらえても良い。


現在は、再開した小中学校では特に関心が高く教育効果が上がるだろう。
 完全なものを作るわけではない。材料が無ければタオルや古着の切れ端でもよい。
 ウィルスを通すという意見もあるだろうが、少なくとも一時的な咳・くしゃみによる飛沫の投射を避け、大量のウィルス被爆をカットする効果はあるはずだ。
 小学生は紙でもよいのではないか。一度経験しておけば、いざという時に、例えば災害発生時の緊急事態の避難所で密集が避けられない状況で、思い出して急造すれば取りあえずしのげるかもしれない。
 子供の工作感覚で、自分なりのデザイン性を工夫するなどすれば才能育成にもなり、新たなシーズが生まれたり、将来の職業選択の一助となるかもしれない。


(4)欧米で市民権を得たマスク--日本企業が活躍できる新しいマーケット
 これまでマスク生産は薄利多売の典型例で、人件費の高い日本には向かない商売であった。しかしここに来て風向きが変わってきた。パンデミックに対する自衛の必需品として今後、半永久的にニーズが続くとともに、文化の違いからマスクを着けるのは異常とされてきた欧米で、効果が見直され市民権を得た事実である。
 ここには安かろうだけではない新たな可能性が生まれている。デザインに優れたおしゃれな高機能性マスクなどは、日本企業がその技術力を発揮できる新たなマーケットである。


知育と衛生・危機管理学習を目的としたマスク作りの教育効果は、以下のようにまとめられるだろう。
①公衆衛生概念の学習、情操教育
②ものづくりの楽しさ
③災害避難など緊急事態時の対応能力習得
④マスク生産の将来性-輸入品待ちから国内生産回帰へ


是非、今年からカリキュラムに組み込んでほしい。

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