zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

五輪参加者感染検出相次ぐ。不思議ではない。検査しているからである。日本国民が検査すればそれ以上の感染者が判明するだろう。個人の自由と言って検査しない国民が毎日検査する五輪参加者を危険視する怪。尾身氏手法で主導された東京都の対策失敗は明らか。骨太の方針に盛込むべきこと。

*)個人の自由と言って検査しない日本国民が毎日検査している五輪参加者を危険視する怪
 海外からの五輪参加者感染検出相次ぐ。別に不思議ではない。検査しているからである。
五輪は悪と唱える論者は五輪のせいで感染が拡がると言い、まるで自分達は陰性で五輪関係者は保菌者・感染者のごとく言うが、五輪関係者と日本国民とどちらが危険だろうか。
 五輪関係者は母国出発・日本入国時および以後毎日検査し、ワクチン接種済みである。それでもニュースでは陽性者、あるいはそれまで陰性だったのが陽転したりする。ああこのようにして感染が発症し拡がるのだなという状況が毎日検査しているからよくわかる。
 日本国民は検査を義務化されていないから、状況は雲をつかむような感じでよくわからないが、このように感染が頻発、続出している訳である。恐らく検査もワクチン接種も義務化されていないから、もっと高い頻度で起きていることだろう。


個人の自由と言って検査しない日本国民が毎日検査している五輪参加者を危険視する怪。
人の振り見て我が振り直せではなかろうか。一番基本の検査すらしないで緊急事態を何度も施行し人々、企業活動、経済を疲弊させる。それでもうまく行かない。尾身氏手法で主導された東京都のコロナ対策の失敗は明らかである。


*)陰性・ワクチンパスポートの導入はいずれ必至
 五輪は悪と唱える論者を含め、検査・ワクチン接種は個人の自由だと言って日本国民は検査も行っていない。五輪参加者とどちらが危険だろうか。
 検査もしない結果、コロナはいつまで経っても蔓延し、緊急事態を繰返しても効果は無い。我々は国民全員検査を行うべきである。自由だと言って感染者を野放しにしたままでは、飲食店業者が悲鳴を上げていくら規制し努力をしてもコロナ状況は改善しない。
 これが憲法に違反すると言うのであれば、陰性パスポート・ワクチンパスポートの導入はやむを得ない。これは飲食店利用・イベント参加の利用者・開催者双方の安全性・安心感の確保ということはもちろんであるが、最大のメリットは国民のコロナ対策に対する前向きの姿勢と行動の加速化にある。


*)飲食店業者はなぜ苦しまねばならないか。尾身氏は半分正しい。
 飲食店業者はなぜ苦しんでいるか。
規制が長引き、緊急事態宣言が何度も繰返されるからである。
 なぜ何度も繰返されるか。
感染源を放置したまま、外出自粛・飲食店営業時間規制・人流抑制の尾身氏方式ばかりを行っているからである。この方式では新規感染者数が多少下がって緊急事態解除するとすぐまた増加し以前よりさらに悪化する。
 なぜか。
下がったのは新規感染者数であり、感染者総数はそのまま、いやむしろ増加した状態で放置されているからである。


こんなことはわかりきったことである。尾身氏方式は本質的な解決にはならないのである。
 なぜか。
感染源を叩くという手段を持たない、いやそうした発想すら無いからである。尾身氏の語るところをどの国民も聞いているだろう。三密接触・人流増加の危険性について語る。だからそうした機会を極力避けよ、従って五輪は不開催、さもなくば無観客にせよと言う。その通りである。しかしそのように努力し遵守したとして、その後いつ感染は終熄するのか、どうしたら感染を制圧・終熄できるのかを語っているか。決してそうした内容は出て来ない。
-尾身氏は半分正しい。


*)日本の感染対策として必要な視点・対応法は?。今後の骨太の方針に盛込むべきことは?。
 感染を制圧・終熄させるには、感染の病原たるウィルスあるいは感染源を叩き撲滅せねばならない。そのためには感染の原因であるウィルスを直接叩きその活動を損なわせる医学本流の方法:(1)患者の病原を叩く抗ウィルス薬、(2)感染源の隔離・収容・治療(自宅待機・療養にしない)、(3)ウィルスに対する免疫を付与し感染予防するワクチン接種、
を行わねばならない。
 尾身氏の公衆衛生学・疫学的手法は集団としての感染源への接触回避を制御し感染拡大を防ぐ対処法である。医学ができるすべてというわけではない。半分である。根本的な解決には感染源の病原細菌・ウィルスを叩き撲滅させる医学本流の方策が必要である。
 日本全体の感染対策を考える上では、尾身氏の手法だけでは片手落ちである。それは今日の状況を見ればわかる。今後改善し是正する必要がある。そうしないといつまでも尾身氏の視点でしか日本全体の対策が出て来ない。可能性がきわめて限られたものになる(現在がそうであるように)。
 新たな骨太の方針にも感染対策、医学・薬学領域の充実などが盛込まれているが、その中身について初動対応の遅さの克服、医学全体を俯瞰した見地から対策を打ち出す機能などを加える必要がある。


*)米国ファウチ所長
 米国の疾病予防管理センター(CDC)とともに、よく報道ニュースに出て来る国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長。その発言を聞いていると、外出自粛・ロックアウトや営業規制などの疫学的見地とともに、ウィルス特性、予防ワクチンなど病原細菌学・ウィルス学・微生物学などの幅広い専門領域をカバーし医学全体の観点から判断を示している。
 ファウチ氏をはじめ他の感染・疾病関連センターの所長も、トランプ前大統領とは見解が異なり対立した。ファウチ氏などはトランプ氏の発言の直後でも、異なること、全く反対のことを言ったりしている。決して忖度していない。それはトランプ氏の発言内容があまりに非科学的であることと、当該学術領域に関する揺るがぬ権威・碩学という能力と自信によるものだろう。もしここでトランプ氏につきあえば科学でないということになる。世界中の科学者が真実の良心を曲げたなと気付くことになるだろう。


*)日本の感染対策の舵取り
 尾身氏はウィルスそのものやとりわけ抗ウィルス薬やワクチン等病原感染源を攻撃する分野については、全くと言ってよいほど専門外である。にもかかわらず、厚労省、政府、地方自治体およびその首長は尾身氏の認識と手法を金科玉条の如く信じ対策を実施している。だからどうしてもその発想と対策は片寄っている。正しいが医学のできることの半分である。いつまでたってもうまく行かないと言って同じことを繰返すばかりである。
 その典型例は東京都である。尾身氏の手法ばかりに注力しているから、その努力は将来へ寄与せず、緊急事態解除すれば投じたエネルギーは雲散霧消(うんさんむしょう)、元の木阿弥方式である。また出発点に戻って同じ努力をやり直すことになる。
 東京都の取ってきた対策は戦略的に誤りであり、五輪開催都市として失敗だったと言える。公衆衛生学・疫学的手法だけで主導されたコロナ対策。東京都が全国で一番ワクチン接種が遅れているのも納得が行く。この体制ではいつまでたっても緊急事態の繰返しになるのは理の当然である。
 日本の感染対策の舵取りとしては役不足である。政府も東京都と同様であったが、それでも菅首相は4月末から攻めの手法であるワクチン接種を開始し、特に途中から超法規的措置を講じた大規模接種に踏み切った。大規模一気の攻めの手法を実施-この点が重要である。遅きに失するところもあるとはいえ、適切な対応である。これが無ければ五輪開催は難しかっただろう。


*)四大新聞社説
 そして四大新聞社説。日本の知性もまたこの尾身氏の手法と認識を金科玉条の前提とし、なにが原因か、なにが正しいか考察することなく、尾身氏の見解を鵜呑みにして五輪開催は悪であるという結論を導き出す。半分は正しいが狭い見識に基づく希望の無い見解である。夢も希望も無い絶望感が売りである。それを認めたとして、それでどうすれば良くなるの?という思考は無い。そして多くの国民はこれらマスコミに影響され、尾身氏の手法でしか物事を認識できず、五輪は悪と信じ込んでいる。


*)尾身氏の功罪
 尾身氏は功罪相半ばする。今シーズン、風邪もインフルエンザも流行(はや)らなかった。これは尾身会長以下コロナ対策分科会が提唱する公衆衛生を行き渡らせ、国民が励行したたまものだろう。公衆衛生の重要性がよくわかる。
 一方で、今もなおどの医師も行っているのが、若年層に多い無自覚・無症状~中軽症感染者を症状が軽いからと言って放置、または自宅待機・療養にする方針である。実は彼らこそ最大の感染拡大・爆発の発生源になっている。初動対応が最も重要でかつ対策も重大化しないで済む原則であるが、結果的に日本は軽視する対応になっている。これが東京都がいくら緊急事態を繰返しても次から次に新規感染者が湧き出してきて医療を逼迫させる原因になっている。
 いま一つは緊急事態宣言の遅れである。昨年12月暮れになってもまだ緊急事態宣言する事態ではないと言い続けた。宣言に後ろ向きな菅首相に忖度してのことだろうと思っていたが、どうもそうではないようである。11月末から12月初めには発出すべきであった。
 しかし一番大きな問題点は、日本国民全体が尾身氏の見解だけが正しく、これ以外の可能性を考えることがない、尾身氏以外の発想を持ち得ない状況になっていることである。尾身氏からは公衆衛生学・疫学的手法以外の発想は決して出て来ない。尾身氏は半分正しい。だからその専門領域からの見解として聞くという分にはよいのである。しかし国は医学全体を俯瞰しそれ以外の可能性もあるのだという総合的視点を持って判断する立場に立つ必要がある。


*)骨太の方針
 新たな骨太の方針にも感染対策、医学・薬学領域の充実などが盛込まれているが、その中身について菅首相に見られたような初動対応の遅さの克服(時のリーダーの資質に依存してうまく行く場合とそうでない場合の不確実性を無くする)、医学全体を俯瞰した見地を持つ国の司令塔機能などを加える必要がある。

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