zepeのブログ

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人道への罪でプーチン大統領は告発できるか。(3)停戦交渉でジェノサイド犯行を認めさせよ。

*)プーチン大統領停戦交渉が後退し膠着状態に陥ったと非難
 キエフ近郊からロシア軍が撤退した後、ブチャほかで多数の市民の遺体が発見された、その後夫は殺され女性は強姦された後殺害などの状況が更に明らかになってきた。ここに至って、ウクライナはトルコのイスタンブールで行われていた停戦交渉を中断した。プーチン大統領は「ブチャをめぐる挑発行為を受けてウクライナ側が当時の合意から後退し、膠着状態に陥った」と非難した。


*)5月9日戦勝記念日に向け成果を急ぐか?
 ここから見えるのはなにか。
プーチン大統領は早期に、適度なところであっても、取りあえず成果を得たい。巷間(こうかん)伝えられるように、5月9日の対独戦勝記念日には国民に戦果を誇示したいという思惑があるのだろう。
 もう一つ、今少しだったのに逃したというあせりが見えてくる。
だから目に見える成果を得るために、マリウポリをなにがなんでも至急陥落させる、そのためには手段を選ばず、更なる非人道的手段を投ずる危険性がある。


*)マリウポリ陥落近し。案じられる住民、徹底抗戦者の運命。
 残念ながらマリウポリの陥落は近いようだ。残った最後の抵抗者の運命が思いやられる。マリウポリ市長の発信する動画もかなり差し迫った雰囲気が感じられる。
 この人も運命はどうなるかわからないが、最後までなすべき任務を果たし続けている。
まともに相手にしたらとてもかなわないロシアに対して、ウクライナ人の祖国に対する愛国心と国のために身を投ずる姿。敬意を払うべきである。


太平洋戦争末期、死ななければならぬ自分をどうしても納得させられぬまま、国のため、家族のため、子供達のため、悩みながら自分の心を納得させて飛び立って行った特攻隊ともまた少し違った祖国愛、国への身の振り方である。


*)蛮行を隠蔽するロシア。少しでも証拠を保全せよ。
 マリウポリ市長は、ロシアは13台の焼却車で遺体を処理し、虐殺を隠蔽しようとしていると非難している。
 虐殺の証拠を消そうとしている。もうすぐ陥落という困難な中でできるかどうかわからないが、写真など証拠を残すべきだ。自分達が行った行為を無かったことに消し去るのを許してはならない。


*)ロシアにジェノサイド犯行を認めさせよ
 ウクライナが交渉から引き上げたのは正解である。
今後交渉の席では、あるいはあらゆる機会を捉えて、ロシア側にジェノサイドを認めさせるべきである。当然否定するだろうが、それでもあくまで認めさせよ。


なぜか。
 もちろんその事実を追求するためである(1)。また主導権を握って交渉を進めるためである(2)。
 もう一つはロシア側に今後また非人道的行為・ジェノサイドを犯そうとすることに慎重にさせる効果である(3)。それが新たな行為に対して多少なりともブレーキをかけさせることになる。また国際的に非難を浴びる行為は、プーチンはどうかわからないが、避けたいと思う面もあろう。


*)更なる蛮行の抑止効果
 マリウポリはいまや陥落までいま一歩のところにある。しかし助けに入ることもできない。マリウポリ防御の徹底抗戦者に対する無差別攻撃に対して、少しは牽制することになるかもしれない。
 マリウポリでの投降者の動画にしてもすぐに拷問・殺戮していたかもしれないが、いかにも人道的に取扱っている風にロシア側が報道する。
 マリウポリを制圧、解放したとし、ウクライナ軍の海兵隊1000人が投降し負傷者を治療したとする動画。おっ!意外とやるじゃんか、といかにも人道的な印象。
 これが本当かどうかわからない。新しい市長と称する人物が現れ、多数の避難者が爆撃で犠牲になった劇場では、ウクライナが行ったと親露派の兵士が平然と言う。
 ここには多少なりともジェノサイドとの非難を気にして、外部向けに装いを凝らした作り方をしている。それでもこのように取り繕いをさせるだけの効果はある。


*)ロシア戦勝記念日を巡り、政治的に勝利するために
 プーチンは5月9日戦勝記念日の前に、目に見える成果を得たい。
逆に言えば、ウクライナ側は目に見えるダメージを与えれば、政治的効果は非常に大きいことになる。


残念ながら、マリウポリはもうすぐ陥落しそうである。本当は戦勝記念日以前には陥落しないことが望ましいが..。
 プーチンはあせっているようだが、マリウポリを獲得すれば多少なりともほっとすることだろう。さらに加えてウクライナ東部で大攻勢に出る予定である。


どこか1カ所でもロシア軍に大打撃を与えれば、プーチンにとっては政治的痛手になるだろう。
 ジェノサイド犯行のことはもちろん強く非難し続けなければならない。
最もわかりやすいのは、隠し蔽(おお)せない、目に見える敗北である。
 最近起きたウクライナ製地対艦ミサイル「ネプチューン」によるロシア黒海艦隊旗艦モスクワの撃沈。これはその顕著な一例である。
 陸上での首都キエフからの撤退は作戦失敗の結果によるものであったが、東部作戦に力点を置くと称することで適当にカモフラージュできる。
 しかし軍艦の撃沈は、喪失は明らかであり、カモフラージュできない。できることは国内では報道せず、国民には知らしめないことである。5月9日までそうできるか。


可能なら、もう一つ陸上戦で大打撃の成果があればなおよい。一つの可能性は軍隊背後の補給線である。衛星写真に見られる長く伸びた車列である。ここに成果を挙げる可能性がある。

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