zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

林外相の訪中は疑問!。領海侵犯されながら(米国との協議も無く)尻尾を振って行く場合か。中国のための外相のようだ。適任か?、岸田首相の任命責任は要検討。

*)林外相は中国の求めに応じ訪中と言っているが、それでよいか。
 林芳正外務大臣は中国からの招請を受け、対面での外相会談へ訪中を調整と。
米中間の対立緩和に貢献と言うが、領海侵犯され権益と安全を脅かされている日本の立場はどうなのか。米中緊張を緩和させるということは、いずれにせよ、米国あるいは日米豪印のクアッド、欧州の対中姿勢を緩め、結果的には中国の強権膨張主義に手を貸すことになる。
 しかし日中友好議員連盟会長を務めていた林氏は、ほかならぬ中国からの要請に、喜んでホイホイと出掛けて行く。
 が、ここは考えどころである。


林氏とすれば米中間の対立を緩和させると善意に考えているのだろうが、日本は領海をたびたび侵犯され、領空も侵犯すれすれに脅しをかけられている。にもかかわらず、この軽さはなんだろう。
 訪中を受諾するというのは、林外相が単独で決めたものか、岸田首相の是認のもとなのか。中国・王毅外相との電話会談で訪中の打診を受けたと明らかにしたという報道からの印象では、政府を通しての要請ではなく、個人的に招請を受けたという感じに思える。
 それにしても重大な局面での林外相の軽さよ。同盟国・米国と、あるいはクアッド他の国々との合意も無いままに(-これは筆者の推測であり、未確認。事実でない可能性もあります)。


親中派の林氏を外相に任命した岸田首相のセンスと責任の問題でもある。
 もし岸田首相が本件を了承しているとすれば、考えが甘いと言わざるを得ない。戦略的に問題である。米国と協議し合意を取っているのなら、まだよいだろうが。



*)直前には日本のつい鼻先の近海で、ロシアと協動した中国海軍・空軍による列島周回示威行動。領海侵犯も。
 尖閣諸島には常時、それ以外の日本領土にもたびたび中国調査船が領海侵犯を行っている。
 今月(令和3年11月)にはそれ以上にあからさまに、中国海軍がロシア海軍と協動して津軽海峡を通過し、日本領海すれすれに周回し、九州鹿児島と種子島の間の大隅海峡を通過した後、今回の壮挙を互いに祝して散会した。また先週には空軍がやはりロシア空軍と協動して対馬から沖縄-尖閣諸島間の海峡を領空侵犯をするかのように南下・往復した。そして中国の国営放送で快挙の如くニュースで報じている。
 日本はいつでも軍事的に侵攻できるのだぞと言う、無言の威嚇示威行動。中ソ両国とも当然日本を仮想敵国として研究した上での共同作戦てある。
 まるで日清戦争前夜、同じく日露戦争の前夜のようだ。いずれの場合でも、それぞれの海軍が帝都東京に親善と称して寄港し、軍事的威圧を行っている。


艦砲射撃ができそうなくらいの海岸からの距離である。日本の電力の大部分を供給しているのは火力発電所と原子力発電所であるが、例外無く海岸沿いに設置されている。艦砲射撃で1発直撃すれば、たちまち突然の停電に陥り、コンピュータ・エレベーターは停止し、日本中大混乱に陥るだろう。
 いつでも日本を攻撃、壊乱できるのだという無言の圧力を受けているというのに、そんなことにはお構いなく、中国から声をかけられると、喜んでヒョイヒョイと出掛けて行く。
 さすが元日中友好議員連盟会長である。一体どちらの国の外相か?、とすら思ってしまう。


*)中国を取り巻く最近の情勢-対中包囲網、台湾情勢、日本への示威行動
 香港の一国二制度を無視し強権的に本土化する、ウイグル族の人権無視、一帯一路政策で資金を貸し付けた国々での負債の罠、公海である南シナ海・東シナ海の自国領海化、インド太平洋への強権的膨張政策など、世界の中国に対する認識は厳しさを増している。


*)中国の狙い-対中包囲網・同盟国間に楔を打込み亀裂を入れる
 中国は八方塞がりの状況にある。
日本との友好を演出することは、それこそ喉からから手が出るほど待ち焦がれていることなのだ。
 既に数少ない従順に従う国家の一つ、韓国には習近平の訪問が決まっている。
しかし八方塞がりの中で、それ以上にはるかに重要なのは日本である。


こうした状況の中で格好のターゲットがある。最近就任した林外務大臣である。
 この時期に日本の外相が訪中し会談すれば、その内容はいかにあれ、そのこと自体が中国にとっては得点なのだ。
 世界に向けて、日本は中国と親善関係を持っている、親中的であると見せつけることができる。
 クアッドの中の最重要国は日本である。他のメンバー国との打合せも合意も無く、中国と協議したとなれば、他国は疑心暗鬼になる。岸田政権への信頼性はゆらぐことになろう。
 世界とクアッドそれぞれの対中国包囲網に楔を打込むことができる。


日本国内についても、中国との親善を図り平和を図るべきだ、経済発展にも必要だという人々と、姿勢を正して毅然として対処すべきという人々の二極に分断化し、亀裂を入れることができる。
 台湾には頼りにする友好国日本の姿勢に不安を抱かせる。米軍のアフガニスタン撤退から米国は国の存立を守ってくれるだろうかという不安を感じているさなかである。
 中国の擡頭に深刻な脅威を覚えている米国の政策にも、日本に対する不信と亀裂を入れることができる。
 林外相が米国との協議や合意も無く、中国からの招請を鵜呑みにすればなおさらである。


*)権謀術数に長ける中国外交
 数千年の歴史を持つ中国外交の権謀術数は、日本人の考えるレベルや認識の比ではない。
一方で日本に力を見せつけて脅した直後に、かつ米英が北京五輪の外交的ボイコットの可能性を示唆した直後に、林外相に甘い誘いを差しのべる。


*)深く思惟していない外相に対し、岸田首相はどのように対処すべきか。
 岸田首相は中国の提案に、跳び乗るべきではない。
しばらく時間を置いてからでよい。
 米国は日米豪印のクアッドを来年日本で開催すると発表し、その際バイデン大統領が訪日することになりそうだと観測されている。クアッド開催後にするべきである。
米国の提案は当然日本の重要性を認識し、戦略的に考えたスケジュール上にある。


それでもより早くを望むのであれば、いま岸田首相はバイデン大統領とできるだけ早く対面での会談を行いたい、訪米したいと計画している。その後にするべきである。
 もちろん北京五輪終了後である。米国と英国は北京五輪をボイコットはしないものの、外交的ボイコットを検討中であり、同盟諸国にも追随を促す可能性が十分にある。


それでも会談が必要というなら、中国の王毅外相を来日させればよい。


もし岸田首相自身が林外相の訪中を是認し後押ししているとすれば、短期的には中国との融和促進は、近未来的外交関係、経済関係ともにプラスだろう。
 しかし北京五輪後、習近平は本格的に台湾侵攻政策を開始するだろう。香港について世界を無視して強行したように。
 ウイグル族・そしてはるかに昔からの問題でいまさらあまり顧みられないチベット族・その他の民族を抑圧し、香港・台湾の民主主義を圧殺し、習近平式全体主義国家の強権膨張主義が世界の覇権獲得に突き進む。もしこれが成功すれば、その先には日本に親中政権を打ち立てる。こうしたことは日本民族・文化に合わない。しかし軍事力にものを言わせて安全保障を恫喝し、ロボット政権を樹立する(-そうならないよう、米国が日本を重視する由縁である)-こうしたことに手を貸す結果になるだろう。


これらに対する観点は、前首相の菅義偉氏のほうがはるかに正確に状況を把握し、戦略的立場を踏まえた外交を行っている。


*)菅前首相の対中外交スタンス
 前首相菅氏の外交スケジュールはよく考えられている。
首相就任後すぐに「自由で開かれたインド太平洋構想」(クアッド)外相会議を東京で開催し、その後中国の求めに応じ、王毅外相が来日して当時の茂木敏充外相と会談している。
 会談後の発表で王毅外相が尖閣諸島は中国領だと発言したのに、茂木外相はなにも反論しなかったというので物議を醸したが、それはともかく菅首相の外交上の立場をしっかりとわきまえて見据えたスケジュールであった。
 またブリンケン米国務長官及びオースティン米国防長官による東京での表敬訪問の後、訪米し猛威を奮うコロナのさなか、バイデン大統領にとって最初の主要国首脳との対面会談を行っている。


*)林外相の外交センスを危惧。岸田首相の任命責任。
 それに対して林外相は、スケジュール外の提案がスポットで入ると、何も考えぬままヒョイと飛び乗って中国の意のままになる。領海を犯されながら、尻尾を振ってノコノコ北京に出掛けて行く場合か。どちらの国の外相なのか、菅前首相・茂木前外相に比べれば、中国にとって組し易し(くみしやすし)である。
 訪中し、日本近海での領海侵犯や威圧的軍事行動に抗議したとして、そのかわりにと外交上の取引を持ちかけられれば、それこそ相手の術中に嵌まる結果になる。中ソ共同の日本領海・領空すれすれ、あるいは侵犯行為は、見返りの成果を挙げ大成功になる訳である。


岸田首相による林氏への外相任命に、安倍・麻生氏は難色を示したと言うが、さもありなむ。早くも的中した感じだ。
 外相として果たしてどうだろうか。
 将来の首相を目指しているということだが、日本の国益をよく考える能力のある指導者になるだろうか。
 林氏は日中友好議員連盟会長としては適任である。しかし日本の外相として適格か。疑問である。疑問どころか、むしろ疑問以前の問題であり、出直すべきである。
 外相就任後の最初の仕事には、米国やクアッドとの協議、それらの国々への岸田首相外訪に先立つ実質的合意内容調整、英国・台湾のTPP加入実現等に尽力すべきである。


*)岸田首相は米国と外交スケジュールを協議し、王毅外相を来日させよ
 岸田首相は米国と外交スケジュールを協議し、どうしても必要なら王毅外相を来日させよ。もし中国からの林外相個人への一本釣りを認めるならば、岸田首相の任命責任ばかりか、中国から甘く見られ、さらには米国からも甘く見られ、その統治能力に疑問符がつくことになるだろう。

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