＊）プーチンの戦勝記念日軍事パレードは無事済むか
　５月９日のロシアの対独戦勝記念日の軍事パレードで、プーチンが何を言うかが、世界の関心事になっている。国内向けに今回のウクライナ侵攻を正当化し、その成果を誇示すべく、ロシア軍に戦果を挙げるよう要求してきたことだろう。
　本来ロシアとウクライナは同じソ連の構成員として独軍に抗して闘った間柄だから、ウクライナにとっても祝うべき日だろう。
　しかし今は違う。まるで一方的にロシアがウクライナに攻め込む口実に使われる日になっている。プーチンにとっては祝うべき日だが、ウクライナにとっては逆に打撃を与えるのに効果的な日かもしれない。

＊）古来、祭りの日に、政権転覆、クーデターが起きることがある
　古来、祭りの日に、政権転覆、クーデター、城砦奪取、不意打ちなど起きることがある。
　油断し、人々は浮かれる。注意・警戒がおろそかになる。人出が多く、紛れ込みやすい。守備範囲の人員が手薄になる．．．等々、事を企てる者にとっては条件が整っているからである。当然、公安は危険性を知っているから警戒は怠らない。

＊）源頼朝の旗揚げ
　源頼朝は、平家に対する旗揚げの決行日を、三嶋大社の祭礼の日の夜に決め、伊豆国目代・山木兼隆の館を襲撃し討ち取り、源家による政事の始まりとした。

＊）尼子経久の富田月山城奪取
　通常、戦国時代の始まりは北条早雲としているが、それに劣らず、戦国国盗りの嚆矢（こうし）として引けを取らないと思われるのが、山陰の雄、尼子経久である。
　正月元旦、夜の明ける前、正月万歳を言祝ぐ（ことほぐ）芸能者一団が城内に参上し、人々が今年は早い、めでたいと浮かれる中、城の内外で一斉に蜂起した。かくして出雲富田月山城の乗っ取りに成功し、以後、山陰・山陽十一ヶ国の大守として、毛利元就に尼子家が滅ぼされるまで、覇を唱えた。

＊）エジプトサダト大統領暗殺
　ナセルの後を引き継いだエジプトのサダト大統領は、スエズ運河を越えて占領地シナイ半島に先制して攻め入り、第四次中東戦争を開始した。イスラエルとの戦いを当初有利に進めた。その後、親露派から親米派に転じ、イスラエルとの和平政策を進めた。
　１９８１年第四次中東戦争記念軍事パレードの観閲中に、過激派に暗殺されている。

＊）プーチンが期待したほど戦果は上がっていない
　プーチンの戦勝記念日に間に合わせるべく、ロシア軍は攻勢を進めている。しかしウクライナ軍の抵抗も頑強で思ったほど進展していない。
　ウクライナ東部親露派地区の首長が、５月９日に戦勝記念軍事パレードを行うのは無理であると声明を出したのは、現実を見据えた正当な認識であり判断だろう。妙にプーチンにゴマをすってパレードなどしていたら、危ないからだ。軍事・ 公安はこうした祭典時の治安のゆるみを当然知っているから警戒は怠らない。
　ウクライナ軍は抵抗を続け、機を見て攻勢に移るかもしれない。