原則無観客となった東京五輪。二度と無い歴史に残る大会であるのに、将来にわたって日本の無力さ、無能力さ加減が記録・記憶されてしまう決定。屈辱でもありつくづく残念である。その中でわずかに残った有観客開催地。札幌も遅れて有観客で決定と聞き良かったと思っていたが、一夜にして無観客へのどんでん返し。失望である。楽しみにしていたのだが．．．、試合内容というよりも日本が札幌が有観客で開催するという事実に。これで少しは夢の祭典の喜びと楽しみを世界に伝えられる、そして観客のマナー、札幌の対策ぶりが世界に目の当たりに伝えられる。こうした努力と経験は非常事態下での大規模国際大会の開催のあり方として世界中で今後見本となる世界標準・札幌方式となるだろう。

　突然の変更の理由が東京から人が来るからだそうだ。有観客開催決定時に、東京から人が来ないように東京五輪・パラ組織委に申し入れたと聞き、どこか幼稚な精神の発育不全症のような頂けない感じがしたが、こういうことだったのかと今になって思い当たる。

確かにデルタ株の感染拡大の恐れはある。ここはできる限りの努力をしてはどうか。検温を東京での搭乗、千歳空港での出口ゲート、ホテル、札幌ドーム、飲食店で義務づける。検温でパスしなければ入場お断りもあると、組織委、ホームページ、マスコミを通じて事前に大々的に周知徹底する。本来は陰性あるいはワクチンパスポートを義務づけるのが望ましいのだが、日本ではどこも行っていないから難しいだろうが、とにかく事前に注意喚起しその時点で安全性をできるだけ確保する。
　それでも手落ちだと非難する人は多く、マスコミは五輪反対の視聴者の意見ばかり流し、五輪賛成や有観客にしてほしいなどの意見は放送されない。実際は黙っているがそうした人は多いのである。
　なによりも世界中がコロナという閉塞状況下、期待して待っている。世界中に夢と楽しみを届ける意味は大きい。無観客よりは有観客のほうがはるかにインパクトが大きいのは言うまでもない。
　札幌市は北海道は努力して困難に挑戦して当たるべきだ。感染が拡がれば確かになにやかやと言われる。自治体首長にとって無観客が一番簡単、安全である。しかし秘かに楽しみに待っている人はいるのだ。それも世界中に多くの人が。自分の政治生命を賭けてでも乗り切る覚悟の政治家が出てほしい気もするが日本中を見回してもいないようだ。

主目的ではないが、二度目の札幌冬季オリンピック招致を考える上では確実にプラスになるのは間違いない。

本来東京オリンピックは歴史に残る大会、世界標準を樹立する大会なのだが、残念ながらいま一つ意義不十分な大会になりそうだ。無難に済ますという発達不全のような精神ではなく、努力して札幌を世界に発信しアピールする絶好の機会。世界に夢を与えてほしい。ぜひ有観客に転換して頂きたい。