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いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

新宿歌舞伎町、若年層からワクチン接種と。理にかなう。鎮火には火炎(重症者)よりも火元(感染源=若年層無症状感染者)への重点放水(治療・防疫)が効果的。若年層重点接種は対コロナ戦略のかなめ。

*)新宿歌舞伎町は若い人からワクチン接種。理に適う。
 日本一の盛り場、新宿歌舞伎町は高齢者ではなく、行動範囲が広く行状が活発な若い人からワクチン接種をすると言う。なるほど理に適(かな)っている。認識は正しい。


なぜ理に適うのか。理由は二つある。
1)主感染発生源
 若壮年層が感染しても無症状のままでいる場合が多く、その結果、クラスターのほとんどで最初の発生源となる。
 彼らは社会的にも活動が活発で行動範囲も広いから、本人は無自覚・無症状のまま、市中を徘徊しては人と接触しウィルスを撒き散らし感染を拡げる。ほとんどのクラスターの発端は彼ら若壮年層無症状感染者であり、感染源元凶となっている。
 さらに従来型からより感染力の強い変異ウィルスになって若年層感染者の多くはもはや無症状ではとどまらず容易に発症し重症化するようになり、即座に医療圧迫するようになっている。
 彼らこそ感染伝播プロセスの火元(感染源元凶)であり、クラスターの最大の発生源である。感染流行を押さえるには彼らをコントロールすることが最も重要である。


*)地域の特殊性:若年層が第一線の働き手の中核
 飲食店、接待を伴うサービス、風俗が集まる盛り場の主役は若年層である。このエリアでは彼らこそ地域の活動を担う第一線での働き手であり中堅・中核層である。そして客に直接接触するのは彼らである。
 従来、丈夫で症状が出ない彼らは潜伏した感染源として社会全体に拡がるコロナ感染の淵源となることが多かった。彼らが感染源となる恐れが無く、かつ感染耐性も持つと保証されれば、客は安心して足を運ぶことができる。そうなれば地域の活動の正常化はすぐそこである。


*)若年層重視は政府・全国地方自治体を通じ初めての認識事例
 感染伝播プロセスにおける若年者層の重要性について注目した事例は、これまでどこでもなされてこなかった。政府・全国地方自治体を通じて初めてのことである。
 従来、尾身会長以下コロナ対策分科会、厚労省、即ち日本は、無自覚・無症状~軽症で済んでいる若壮年層患者を軽視し自宅待機・療養という名目で放置してきた。これが感染拡大・爆発をもたらし、緊急事態をいくら延長しても感染が収まらない一番の理由である。
 これに対し今回の歌舞伎町地区の責任者は正しく認識している。この認識が最も重要である。


*)火災の鎮火には火元を消火せねばならない
 火事を消火するには、火炎の先端のみに放水しても消火できない。火元をめがけて放水すればしばらくは炎は燃え続けてもまもなく鎮火する。
 即ち、火事(パンデミック)の消火には、火炎(重症者)のみに放水(治療)しても鎮火しない。火元(感染源=無症状感染者)をめがけて放水(治療・免疫賦与)すればしばらくは燃え続けてもまもなく鎮火(制圧・終熄)する。


*)攻めの手法に転換せよ
 鎮火には放水消火の手段(ウィルスをターゲットとする攻めの手法)が必要である。
これはひたすら接触回避の消極的・受動的姿勢に徹する尾身氏の疫学的・公衆衛生学的手法からは得られない。野口英世や北里柴三郎などの病原細菌学やジェンナーの種痘のようなワクチン予防など、病原菌やウィルスに直接介入する攻めの手法を取らなければ得られない。


ウィルスと感染源をターゲットとする攻めの手法には以下がある。
(1)主たる感染源=無症状感染者の隔離・収容・治療-最も即効性あり。
(2)ワクチン接種で感染耐性を付与する-即効性劣るから大規模迅速実施が必要。


 ワクチンは感染源そのものを叩く(=(1)の手法)のではなく、感染源はそのままにして周りを固めていく(未感染者が感染しないようにする)手法だから、効果が出るには社会の大部分に行き渡る必要があり(集団免疫)、即効性ではない。目に見えて効果をあげるには大規模一気に行わねばならない。
 日本の人口1億人に対していま1日100万件接種を目標にしている。これでも集団免疫を形成しコロナを終熄させるには数カ月から半年はかかるだろう。
 もし(1)の方法で、市中の感染者を1日100万人除去したらどうだろう。たちまち市中はクリーンになりコロナは終熄するだろう。
 即ち、ウィルスそのものを直接打撃し取り除く方法(1)は、最もダイレクトで即効性がある。だが、感染が拡大してしまった今、大規模臨時病院を設営し、運用するための医療スタッフを用意するには非常事の超法規的措置を行わなければ実現できない。
 歌舞伎町の場合、活動する人口数が限られており、臨時病院建設よりも(2)のワクチン接種のほうが相対的に作業が楽であり、今後の防疫性も持続すると考えれば、より適しているかもしれない。


 即ち、いま行うべきは、ワクチン接種の大規模迅速実施、それも主たる感染源元凶である若年層を重点的に行うことである。


*)地域住民ではなく地域で働く全員に
 今回の歌舞伎町の措置は、当然新宿区に戸籍がある住民だけではなく、歌舞伎町で働く人間全員が対象となるものと推測する。でなければ効果が無い。歌舞伎町で働く人のほとんどは通いだろう。もし地域住民のみ対象なら、職域接種方式で地域で働く全員をカバーする方法を援用すべきである。


*)他地域でも一考の価値あり
 この方式は他の地域でも適切な場合があるかもしれない。地域の特性によってはどの年代から接種を優先すべきか検討する価値がある。
 というより、このことはより本質に関わる問題、日本全体の対コロナ戦略にとって本質的な意味のある問題である。


*)どうしたら医療逼迫を軽減・解消できるか。コロナを制圧できるか。
 火事の鎮火には火炎(重症者)よりも火元(感染源=若年層無症状感染者)への重点放水(治療・防疫)が効果的。若年層無症状感染者をコントロールできれば感染増加の火の手は下火になる。
 即ち、若年層の扱いがコロナ制圧戦略の要(かなめ)である。


*)敵の重心を叩け--感染制圧の成否は若年層の扱いが鍵となる
 パンデミック感染の消長は、若年層の扱いが鍵を握っている。若年層無症状感染者をコントロールできれば感染増加の火の手は下火になる。


医療崩壊の危機にあって重症者の治療に手が一杯で、無症状感染者には手が回らない。余裕が無いのは事実である。しかしこれでは湧き上がる新規感染者が次から次に現れ、医療逼迫・崩壊は決して解決できない。
 治療回復する患者数より、無症状感染者が伝染させた新規感染者および無症状から重症化した元無症状感染者数のほうが多く、感染拡大は決して終わらない。この負の感染増加サイクルを断ち切るには、医療リソースの一部を対若年層対策に割かねばならない。
 この火元を消火する対応方法を実行すれば、感染増加サイクルは縮小し病床逼迫は緩和・解消され、まもなく感染者数縮小サイクルへの正のポジティブサイクルに移行するだろう。


誤解を恐れずに言えば、若年層を重点的に優先先行接種したほうが、感染全体の制圧には戦略的により効果的である。それは彼らが感染源の主体だからである--敵(ウィルス)の重心(感染源)を叩け。若年層を重点的にコントロールする(感染者は隔離・治療する、未感染者はワクチン接種する)ことが必須の基本原則である。


*)五輪開催に向けて、インド型変異ウィルス対策戦略として
 五輪開催時の海外選手団・関係者入国および新たなインド型変異ウィルス対策として、空港検疫での水際対策とともに、感染拡大に最も責任がある若年層にコロナ耐性を賦与することは有力な方法である。ワクチン接種にあたって、若年層重点接種とその大規模迅速実施は対コロナ戦略の要(かなめ)である。

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