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韓国文大統領の徴用工問題現金化に関する奇妙な発言

韓国の文在寅大統領は2021年新年の記者会見で、日本政府に対し元慰安婦に賠償を命じるソウル中央地裁の判決に「困惑している」、元徴用工訴訟については、強制執行による日本企業資産の現金化は「望ましくない」などと、従来の日本に対する態度からは奇妙に見える発言をした。この3月1日の記者会見でも再び同様な発言をした。


一見、日本に歩み寄るかのような印象を与える発言---奇妙である。日本との友好を懸念する姿勢に変化したのか? 喜ぶべきことなのか、これまで行ってきた日本に対する屈辱的態度からすればその行動の変化は、不審である。


*)真意はなにか。
 日本との関係を改善するという意図は少しはあるか?--文大統領の思考様式、行動様式からしてきわめて考えにくい。
 基本的には、根底に日本に対する競争意識を持っている。そしてその支持層はあらゆる機会を捉えて、争い、足を引っ張り、非難することに関心がある。その支持率の基礎の一翼は日本への攻撃姿勢にある。この立場に立つ限り、韓国国内では自分は正しく、他人、例えば保守派、は悪いという、自分は非難されることの無いリスクの無い立場を取ることができる。


*)この間、日本を巡る国際情勢になにがあったか。
文大統領が発言した頃の国際情勢は?
 ちょうどトランプ氏の主張する大統領選挙は不正だとの運動が一段落し、バイデン氏に確定して米国大統領に就任した頃である。
 トランプ前大統領の時にG7開催の話があったが中止になり、今年になって英国が議長国として開催予定の G7サミットに、韓国はゲスト国として招聘されることになった。
 また習近平中国国家主席がTPP加入を考えていると発言してまもなく、韓国も加入を考えていると発言した。TPPにはそれ以前から英国が加入を希望しており、最近正式に申請している。


日本を取り巻く国際情勢は?
 中国の力による海洋進出に対して日本が主導する「自由で開かれたインド太平洋構想」に基づく日米豪印連携に、米国バイデン政権も強く同調している。
 さらに西欧主要諸国は香港問題やウィグル族・チベット族など少数民族に対する抑圧の人権問題やインド太平洋の島嶼国への海洋進出に懸念を強めている。
 中国の力による方針に警戒する英国は太平洋・東シナ海地域に空母を派遣している。
 フランスも海軍を派遣することを決定した。フランスも太平洋にニューカレドニア島などの仏領、タヒチなどのかっての植民地など権益を有している。画家ゴーギャンはタヒチに行って「タヒチの女」などの代表作を描いている。今は中止しているが、かって水爆実験を行ったのは仏領太平洋諸島である。
 さらに英仏に続いて、最近では経済的に中国と最もつながりの深い独も、太平洋地域に海軍を派遣することを決定した。


豪州はもちろん中部太平洋諸島諸国には地政学的に深い関係を持っている。
 習主席は米国との会談の際、耳障りの良い決まり文句「太平洋は米国と中国を受け入れ得るほど広い」を何度となく発していた。日本や豪州などを無視して中国は米国と太平洋を二分割するのだという力による膨張政策の意図を真綿でくるむかのようでいて露わな野心を示している。そして太平洋の島嶼国家を経済援助という名の下で金銭的に隷属化し、海軍基地への長期借用などの海洋進出を図っている。太平洋島嶼国の中のいくつかはかって日本の委任統治領であった。


TPPは英国加入により、また現在は加入していないが将来米国も加入して、日米英豪(印)となり対中経済同盟となる可能性もある。


ごく最近では世界貿易機関(WTO)の事務局長選で、韓国からの候補はトランプ前大統領が忌避したナイジェリア出身の候補者と争っていたが、立候補を辞退した。


*)これらはなにを物語るか。
韓国は文大統領就任以来、強めてきた日本敵視政策を改め、日本と友好強化を望んでいるからなのか。上述から読み取れることは...。
 韓国の主たる関心事は日本を取り巻く国際情勢の動きの中にあって、米国の関心を買うことにある。バイデン新政権の意向、心証を良くするためである。
 なぜ米国か。
国際情勢の変化の中にあっての自国の国益を睨んでいる。日本との友好策に転換するのではない。彼らの主要関心事は自国の国益である。一見、日本に対する敵視政策が表面的には変わったのか?、というように見えるかもしれないが、そのような甘い見方は通用しない。
 そして他国に対する自国の体面である。日本に対する体面か?。そうではない。米国をはじめとするG7構成国、「自由で開かれたインド太平洋構想」諸国、具体的には 米日豪英仏独印などのうち日本を除く列強諸国である。日本に対してではない。


 なぜ体面を気にするか。それは自国の将来の国益を睨んでのことである。
上述のような国際情勢の動きの中にあって、元慰安婦賠償請求・元徴用工訴訟等の問題を大事(おおごと)にするのは、韓国の国益の観点から現時点においては適切でないということである。


 彼らの性向は日本に対しては今後とも国際社会にあって日本のイメージを下げるよう活動を続けるが、必要とあれば、国際機関や国際条約・協定国のメンバーになるのに都合が悪ければ、メンバーになるまでは猫を被るだろう。そして目的を達成すれば、今までと同様前言を翻して再び日本に対して感情的・挑発的な反日行動を始めるだろう。
注意が必要である。


*)どのように日本に対抗するのか。
 一つは大国、ほとんどの場合米国、時に例えば日本の戦争責任糾弾などの場合は中国、ほかにロシアや北朝鮮など、を自分の主張に賛同するように仕向けて非難する。俗に言う強い人間とグルになるという方法。
 韓国に依頼されて選挙の際、日本が票を投じて選ばれた潘基文元国連事務総長は、2015年欧米各国の首脳は皆見送ったにもかかわらず、中国からの招聘に応じ「抗日戦勝70周年記念式典」軍事パレードに出席した。
 もう一つは特に海外の地方都市の議会において、あるいはさらに上級レベルの国際機関において、ふだんから情報宣伝活動をして賛同者をふやし、多数決の決議で日本に不利な決議を通してしまうというやり方。世界各地の自治体へ働きかけてのの慰安婦像の設置や国際機関での日本に不利な判定、例えばWTOなど。
 日本文化は精神的にこうした策動を好まず、我関せずの姿勢を取りがちだが、注意が必要である。それはいくら精神が気高くても、現実世界では独りよがりになる可能性があるからである。
 国際社会・国際機関においては、多数決が一般的である。隣の席で大声で呼びかけられ話しされるとその内容を最初は本気にしないでいても、繰返しされるとやがてそうなのかと影響されがちである。あるいは半信半疑でも少しは力になってやるかと思いがちである。
 こうしたふだんからの多数派工作が実り、思わぬ予想もしていなかった、時には当の韓国自身も期待していなかった日本に不利な決議が通ったりする。
 また世界中で韓国人若者が例えば学園キャンパスなどで日本攻撃のために跋扈跳梁している。


*)この間、韓国海軍はなにをしていたか。
一方、韓国海軍は自衛隊機に対してレーダー照射をし、日本が証拠のビデオを出すと、自分達が正しいと10カ国近くの言語で世界に発信した。北朝鮮と同じ民族という感がする。
 また竹島上陸戦闘作戦を仮想準備している。
 海上自衛隊に対しては旭日旗を掲揚して訓練に参加しないでくれと言い、自衛隊艦船は参加しなかった。これは日本の戦略的敗北である。不当な要求を飲まずに参加すべきであった。参加を取り止めたということは向こうの言い分を認めたということである。こうした戦略的敗北はそのままにしておいてはならない。(注1)


両国の真の友好・平和のためには下手な譲歩や鷹揚な姿勢は厳禁である。なぜなら強硬派を勢いづかせ、一旦成功体験をすれば、行け行けドンドン勢いに乗ってますますエスカレートさせるからである(注2)。これは両国民のためにならない。
 日本は安全保障、経済交流をはじめとする国際関係において、中国や韓国のような国際法を遵守しない国や、平和友好ではなく好んで争いを持込む国の加入を許すべきではない。中国はもちろんであるが、韓国の姿勢にも注意を払う必要がある。


必要以上に好意的になるのは、厳に慎まなければならない。
 元徴用工訴訟については、強制執行による日本企業資産の現金化に至って制裁を実施する場合には、韓国にとって決して得にならないような対応をする必要がある。いい加減なことで済ませてはならない。なぜなら適当な線にすれば、対日強硬派を勢いづかせるだけである。彼らは勢いづき力を得てさらにエスカレートさせる。こうした対日強硬派に得にならないことを知らしむる措置が必要である。


そして重要なことは日本は韓国での教育内容を公平にするよう要求すべきだ。日本の援助のもとに漢江(ハンガン)の奇跡という経済興隆が可能になったというようなことは都合が悪い。そうした事実を一切無視した教育をする。だから新たに生まれてくる世代はすべて日本を憎むように育ってくる。一方的な内容を教育された若者が毎年政界・財界に軍隊に入るわけである。


*)両国民の交流
一方で、学術交流や一般市民、観光客の交流、トラベルのレベルでは、制限を行うことなく、両国国民の従来と変わりない友好的な交流を保持し進めなければならない。こうして本当の日本の姿、日本国民、日本文化に対する一般市民の理解を得るよう努めるべきである。
 学術活動の役割は重要である。いかなる政治状況にあろうとも、いかなる国家とも学術交流を不断に続けることは重要である。


*)図らずも3月中旬に日米2+2閣僚会議が行われた。
バイデン政権発足後初めて米国からブリンケン国務長官、オースティン国防長官が来日し対中国問題を話し合う日米の外務・防衛の2+2閣僚協議が行われた。
 日本における協議の後、米国の二閣僚は韓国を訪問した。対中国、対北朝鮮問題が主要議題だろうが、ほかに日韓関係の改善の申し入れも含まれていると思われる。


 米国から事前にこうした成行を告げられていたものか、あるいは文大統領が今日あるを見通して徴用工に関する発言をしたものか。あるいはその両方か。
 米国から日韓関係改善の要求があったかもしれないが、いずれにせよ、一見日本非難を差し控えるかのような発言は、国益を見据えてがベースにあることは間違いない。
 なかなか弁舌がうまい人である。自分は正しく相手に非があるかのような雰囲気に持っていく。
 重要な国際条約や国際同盟へのメンバー加入については注意が必要である。メンバーになるまでは争いを控えていても、一旦その地位を得ると、あらゆる局面で争い競合を起こすだろう。基本的には現状を保つべきである。
 日本は適正に対応すべきである。


(注1)


(注2)

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