zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

攻めの無い緊急事態延長は展望無し(3)。いくら飲食店規制を厳しくしても効果は限定的。元凶は無症状感染者であり、大規模臨時病院を開設し一手に隔離・入院・治療せよ。

緊急事態解除して間も無いのに、もう全国的に第四波の前兆が...。
予想されたことである。
 緊急事態宣言下でも、解除後も、飲食店営業時間規制ばかり行っている。これは効果が無い。なぜなら単に接触の機会を減らして、それ以上の新規感染者の増加を防ぐだけであって、感染源には手を付けず放置したままの対策だからだ。コロナ感染を減少・終熄させる効果は無い。


*)飲食店でなぜ感染が拡がるのか。
 そこに表面的には健常者と変わりない、一見なんの異常も無い健康そうな無症状感染者、時には無自覚感染者がいるからである。これら無自覚・無症状感染者を放置している限り、いくら飲食店営業時間規制、あるいは命令してもその効果は限定的である。
 いまの対策はこのなぜ感染が拡まるのかということを考えることなく、ただ飲食・会食・カラオケで三密になると感染するからと、営業をやみくもに規制するだけである。


*)クラスター感染のメカニズム
 クラスター感染の伝播の仕方を検証すると、多くの場合、病人だとは予想もできない無自覚・無症状感染者がコロナウィルスを持込み、周囲の濃厚接触者に感染させ、それがまた次の濃厚接触者に感染させ、気が付いた時、即ち誰か(通常は高齢者・基礎疾患者・抵抗力の堕ちている人間などの感染弱者)に最初に症状が現れた時には、既に多くの人に感染が拡大し、集団感染(クラスター)形成が起きてしまった後である。
 無症状感染者が無症状感染者を生み、さらに無症状感染者を拡げるという再生産を繰返し感染サイクルの輪を拡げていく。ここでは目に見える有症状感染者は被感染の結果であって、主たる感染源ではない。最初の感染源(感染の元凶)は無自覚・無症状感染者である。これをコントロールしなければ、コロナの制圧はできない。
 にもかかわらず、政府も、地方自治体も、新型コロナ感染症対策分科会も、飲食店営業時間規制ばかり行っている。


パンデミック対策の基本は
 できる限り初動段階で手を打つ。時間とスピードが勝負
である。軽症のうちに、周りに感染を拡げる前に、あまり手がかからない段階で治療を終えてしまう必要がある。放置したままの自宅待機・療養者、あるいは無自覚・無症状感染者はごまんといる。大規模検査、それに続く大規模無自覚・無症状~中軽症感染者用病院が必要である。


*)軽症者と重症者のどちらがより感染性が強いか
 TVニュースを見ていたら、島津製作所と熊本大学であったか、共同研究で、コロナ患者の血液や尿中の、ある種のヌクレオチドを測定すると患者の重篤度を判定できる。ヌクレオチドの量によって軽症者と重症者(あるいは重症者予備軍か)に分けることができるという。
 蛋白質の構造解析は、それまで単結晶試料作製後のX線回折結晶構造解析等の方法によらねばならず、容易に達成できない、できたとしても長期間を要するきわめて困難な研究テーマであった。質量分析計(マススペクトロメーター)を使って、レーザービーム照射で分解した蛋白質の巨大分子を構成する個々の分子基を同定することにより、迅速簡便に構造解析ができるようになった。
 それまで質量分析計は金属や酸化物などの無機物の分析に使われていた。それを後にノーベル賞を受賞することになった島津製作所田中耕一氏が、有機物・バイオ系への適用を試み実現した。今回のニュースも島津製作所らしい仕事である。
 時間が無く最後まで見れなかったが、ニュースが報じていた通り画期的と考える仕事だが、ニュースではこれによって軽症者と重症者に分けることができ、医師は重症者により効率的に専念できるというようなことであった。
 その通りだろうが、重症者はよいとして、軽症者というのが曲者(くせもの)である。特に若年者~壮年者の場合、本人は元気で症状も無く、医師は鷹揚に自宅で待機・療養してよいですよ、と言うであろう。そしてそれらの医師の中にはTV番組で、軽い風邪程度だから心配しなくてよい、などと言う人がいる。昨年10月位でもまだそうした全国放送が流されていたし、今年になってからもさる大学の教授が若い人は症状が軽いから自宅待機でよいなどと言うのを見た。


 軽症者と重症者のどちらがより感染力が強いのか知らないが、社会行動的には重症者は隔離・入院するから感染源にはならないが、軽症者あるいは無自覚・無症状感染者は自宅待機・療養などと放置され、その中には特に自覚することなく、あるいは自覚しても無症状だからという理由で、自宅内あるいは市中を徘徊し、単独あるいは他人と会食してウィルスを不特定多数に撒き散らすのである。ニュースの担当者も、医師も、この方法の開発者も、社会全体も、軽症者だから大丈夫、大事なことは重症者を見つけて彼らの治療に専念することだと言い、これが当たり前のことと何の疑問も抱かない。しかし無自覚・無症状感染者こそ感染の元凶、最も重大な感染源なのである。
 軽症者と呼ぶのは、そこで既に軽く扱ってよいという言わずもがなの前提がある。曲者である。彼らこそ最も強い感染源であって、彼らを根治しなければ、いくら努力してもコロナは制圧できない。医師は患者の容態のみで判断して自宅待機でよいとするが、彼ら無症状感染者は最も危険な感染源でありウィルスを周囲に撒き散らす存在なのだという認識が欠如している。医師自身が認識を変えなければならない。そして軽いからと放置してはならない。


*)なぜ1万人臨時病院開設か
パンデミックのような大流行感染症に対する対策の原則は、
 できる限り初動段階で手を打つ。時間とスピードが勝負。
である。これはワクチンなど以前に、いかなる感染症にも通用する、まず第一に行わなければならない基本である。
 中国や韓国のような全体主義国家がコントロールに成功しているのは、感染者を見つけ次第強制的に隔離・入院・治療しているからである。
 他の感染病に比べ今回の新型コロナウイルスは、より初期感染の段階で症状が表面化せず、かつ感染力が強い特徴を持つ。だから初動対応がより決定的に重要なのであり、その結果、中国等の対応法がなおさら効果的に作用しているのである。


だから飲食店営業時間規制よりも無自覚・無症状感染者の隔離・治療を優先的に行わねばならない。
 これを実施するには、対象がほぼすべての国民層にわたり、大規模にならざるを得ない。
東京都には自宅待機・療養者が1万人いるといわれる。1万人規模の病院が必要である。
そして患者の重症度の段階によって、各ステージ専門の病院を設定し、治療の効率化を図る。このことは医療従事者の負担の軽減にもなり、人的観点からも効率化に寄与する。
 こうしたことを言うと絵空事とだれしも思う。実際に行うには、土地、人、予算のいずれにおいても多大な困難が伴い、実現不可能、問題外と言われる。


今は準戦時状態である。災害の多い日本--来たるべき首都圏を襲う東南海地震、冨士山の噴火爆発、あるいは近隣諸国との準戦時状態、あるいは原発にミサイルを打ち込まれる等の対応など、今後起こるであろう危機的状況に対する備えが準備が必要である。科学や学術の真理・真実は、多数決ではない。皆馬鹿げたことと無視するが、そうした国民・政府総無視から人類に対する危機-東日本大震災での原発津波被災事故が起きたのである。不可能事と考えられてもコロナ対策制圧をやりきることは、今後の日本にとって必要なことである。

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