zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

攻めの無い緊急事態延長は展望無し(1)。精神力頼みの自粛延長。一層の奮励努力・自粛励行と言っても受身で待つだけの緊急宣言では事態改善は無理。放置したままの主たる感染源=無症状~中軽症感染者(自宅療養者を含む)の隔離・入院・治療をセットにし安全性を担保した上で飲食店規制解除すべし。

大阪、京都、神戸の関西三府県、愛知県は緊急事態解除した。残る東京、千葉、神奈川、埼玉の首都圏、福岡県は緊急事態解除しようとしている。


これまで菅首相に対して忖度気味で、まだ緊急事態ではないと言い(昨年12月末まで)、延ばしに延ばしてやむを得ない時点(本年1月)になって初めて緊急事態宣言を行った新型コロナ感染症対策分科会(尾身茂会長)は珍しく緊急事態解除にやや慎重である。
 首都圏解除について菅首相は最後はわたしが決めると言う。この人が決めることは解除に決まっている ...と思っていたら、今回は2週間ほど延長する方向だと言う。結構なことだ。


だが改善に向けてのなにか方策があるか。なるほどワクチン接種は有力な方法であるが、やっと端緒についたばかりで全国民にあまねく行き渡り、集団免疫効果が出るにはまだまだ時間がかかる。
 菅首相はいつも「最善を尽くしてきた...。なんとしてでも...。力を尽くして...。勝負の...。」と語るが、言葉とは裏腹に空疎な内容だ。こうした覚悟を示す言葉を並べて、ウィルスが撲滅できるだろうか。
 この待ちの姿勢には飽き足らぬものがある。攻めが無いのである。
-- ということは人の接触を減らして新規感染者を押さえるのみで、感染源を積極的に叩く対処法に欠けている。消極的な受け身の姿勢に終始する攻めの無い対応だ。
 小池都知事は、またぶり返しては元も子もないと外出自粛をお願いしているが、市街地、繁華街への人出は増している。いつもは菅首相より具体的なことを言うのだが、今回は皆さん一層の自覚をもってと、菅首相並みの精神力頼みの自粛延長だ。


一層の奮励努力を!、自粛励行を!、と言っても事態改善は無理だろう。まるで戦前の「欲しがりません勝つまでは」みたいな精神力だけで、ウィルスは無くなるわけではない。


攻めの無いただ待ちだけの受け身の緊急事態は展望無し。
 緊急事態宣言はただ外出自粛・飲食店営業時間規制など人の接触の機会を無くすだけのひたすら待つだけの姿勢である。新規感染者は減る。ただし新規ということに気をつけて頂きたい。総感染者数は変わらない、というよりむしろ増加しているのである。即ち、感染源には全く手を付けていない。だから緊急事態解除すれば、再び感染が増加し感染爆発が再発するのは必至だ。受動的姿勢であって、ここには感染源を叩く、減滅するという能動的・積極的攻めの姿勢は無い。


ウィルスを無くす、感染源を叩く対応が必要である。
 主たる感染源はなにか。ウィルスは人がいないと増殖できない。無症状~中軽症感染者(自宅療養者を含む)の放置が感染拡大の一番の原因である。


(本来は国民)全員のPCR検査を行い、これら無症状~中軽症感染者、特に若年~壮年世代、の隔離・入院・治療を行うことが必要である。これが感染源を叩く最も効果的な、即効性のある、パンデミック対策の基本の対応である。
 この意味で、広島県湯崎英彦知事の80万人PCR検査、無自覚・無症状感染者を治療する方針は正しい。広島方式は感染源の元凶を叩くのだから、確実に感染は減少する最も本質的な対応法だ。


パンデミック感染対策の基本原則は、できるだけ初動段階で手を打つ。スピード・時間が勝負。
--緊急事態宣言だけでももっと早く手を打っておれば、大事に至らず、菅首相の気にする経済活動への影響はずっと小さくて済み、中国のように経済が復興していくきざしを見せていただろう。
 いつすべきであったか。昨年11月末から遅くとも12月初めには宣言すべきであった。
そうすれば今回のような多数の新規感染者・死者をもたらす大規模な第三波には至らなかっただろう。


鳥取県平井伸治知事は、早期検査・早期入院・早期治療を対策の三本柱にして、感染者数累計198人(1月28日時点)に押さえ込んで全国最少、死者も島根県と並びゼロを続けている。
 -これである。これが「パンデミック感染対策の基本原則:できるだけ初動段階で手を打つ。スピード・時間が勝負」の実例である。これを全国規模で行うべきなのである。


感染を制圧するにはこの感染源を無くす直接的対策・攻めの対応が必要である。これが最も効果的でそして最終的(本来は初動段階の最初期に行うべきもの)対処方法である。


攻めの無い緊急事態解除は展望無し。
 島根県丸山達也知事は、「東京オリンピックを開催すべきではない、島根県内の聖火リレーについて中止せざるをえない」と言う。それは「政府や東京都が新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込めていないから」と。鳥取県の平井知事は「大都市圏で積極的な疫学調査をしていない現状について丸山知事は強い不満を持っているし、私も全国知事会で政府に強く申し上げてきた」と述べた。
 その通りである。政府は攻めの対策をしていないのである(東京都もほぼ同様)。


また緊急事態解除にあたっても事前に、解除後感染者数はどのように変化するか、シミュレーション予測を示すべきである。さらにもし再び感染増加・爆発に至ったら、どのように対処するか、方針を示すべきである。
 現在、ワクチン接種を始めているが、ワクチン接種と同時にPCR検査を実施すべきである。もちろんワクチン接種の前提には、直前の問診または主治医の診断によって感染の有無を判断した上で未感染者に接種するものとは思うが、明確に感染していないかどうか、この機会を利用してきちんとPCR検査を行うべきである。そして国民皆PCR検査完遂に向けて実施していくべきである。


攻めの無い緊急事態解除は展望無し。攻めとセットにして緊急事態解除すべし。
 そのためには、無自覚・無症状~中軽症感染者を一手に引き受ける1万人規模(東京都の場合)の臨時病院の開設が一番効果的で即効性がある。そして患者の重症度の段階によって各ステージ専門の病院を設定し、治療の効率化を図る。このことは医療従事者の負担の軽減にもなり、人的観点からも効率化に寄与する。
 いまの日本の対策に必要なのはこの攻めとセットにした上での緊急事態解除である。

×

非ログインユーザーとして返信する