zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

病床確保せよと今頃言われても無理なんジャあー...???(最悪事態になってからでは)。事態の認識と未来を予測し得ぬ菅首相。理系ブレインが絶対必要。延ばしに延ばしてやむを得ず緊急事態宣言。会社経営の社長ならとっくに免職。日本医師会中川会長の提言に耳を傾けよ。司令官はまず最前線(医療現場)を自身で視察し状況を認識せよ。そこから臨戦体制のアイデアが出て来る。無症状~中軽症感染者を収容する1万人規模の臨時病院を至急建設せよ。

延ばしに延ばしてやむを得ず、菅首相緊急事態宣言に踏み切る。
感染爆発は増加する一方。燃え上がる炎が手の付けられない状態になり、なおも拡がる状況にある。こうなることはわかっていたことだ。


感染専門家、特に現場の医師を代表する日本医師会中川俊男会長は何度も警告から要請へ、必死に何度も訴え、さらに自己宣言まで。
 会見では感染者数が2000人近くになって容易ならぬ事態と認識したと話していたが、菅総理はそうだろうが、医師や専門家あるいはそれならずとも多少理系に素養のある人間ならとうにわかっていたことだ。その点首相の人柄を表して正直だが、予測されていたことを取り上げず、あるいは信じず、あるいは理解できず、不幸が目の前に現出して初めて認識する。
 これでは平時はともかく戦時あるいは緊急事態時に国の運命を託すことのできる指導者ではないだろう。
 会社経営の社長なら、任せておけない、とっくに免職。未来の方向性が考えられない社長では株主は経営を託せられない。


指導者なら学術・科学・医学の成果をどしどし汲み取り、その意味・意義を理解し先手を打って対策を講じなければならない。
 こうしたイメージに近そうな首相は過去に見る限り、中曽根康弘元首相、次いで小泉純一郎元首相、また安倍晋三前首相がやや近いか。首相としての業績、意義、国家への貢献度がこの順番に高いかどうかはまた別問題だが、イメージ的には彼らは長年過去の行政を踏襲するばかりの官僚規制をスピード感を持って改新した。安倍内閣は菅官房長官(当時)とともに、自派に都合のよいように官僚人事を統制して、忖度ほかをはびこらせ、有能な官僚のやる気を喪失させ、その能力を十二分に発揮させたとは言いがたかったが。
 日本の政治家の多くは文系出身だから、必要なら理系ブレインを置いておけばよいのだ。世界的にはドイツのメルケル首相は もともと物理学者である。社会主義国の東ドイツ出身でベルリンの壁崩壊で統合時の首相だったコール首相に見出された。ドイツ国民の間では彼女への信頼は随分高いようだ。かっての鉄の宰相、英国病からイギリス経済と国勢を再生させたサッチャー首相も化学者である。彼女の鉄腕振りに労働党などの反対勢力もあったが低所得者層にも人気があったようだ。それまでロンドンのヒースロー空港では飛行機から出てきたスーツケースのカギが壊されて中身が盗まれることが日常茶飯事に起きていた。一国の首都空港で平気で起きる国の恥辱行為は、労働党政権下の優遇策で保護されたまま労働者の士気が堕ちきった経済社会を反映していた。民営化を実施し外国資本を積極的に導入した。自動車関連ほか彼女の時に英国に進出した日本の会社もある。社会主義国では理系出身の首相・大統領は珍しくない。


会見を見る限り、菅首相はコロナの発症や感染爆発のメカニズムやパンデミックはこれからどうなるかというようなことはやはりわかっていないようだ。科学者、専門家ほどわかっている必要はないが、ある程度意義が理解できるセンスが無いと、情報を得た時の情報の意義・重大さ、どの程度迅速に動かねばならないかの判断、将来を見据えての対応・政策提出に大きな違いが出る。
 その後病床確保の指示を出したが、ここまで事態を悪化させて現場はほぼ満杯で受入れ不能に近いのに、今頃言われても無理なんジャあー...???。 というあたりがはっきり言って現場の正直なところではなかろうか。菅首相はそういう現場の現在の状況もよくわかっていない感じもする。
 会見に同席した新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は、菅首相・政府の取っている方針を否定しないよう、口裏を合わせるような答弁をしていたが、感染症専門家としての立場からの正直な本当のことは語っていない。もし政府の傘下に無ければ、「遅過ぎる。もっと早く発出していれば、はるかに軽く済んだだろう。」と言っていたことだろう。


 いまマスコミで最も良く医療現場のみならず社会全体の感染の進行状況と逼迫の段階を正確に正直に示しているのは、日本医師会中川俊男会長の発言である。TVニュースでいつも10~20秒程度出てくるが、医療の逼迫度合い、今がパンデミックのどういう状況、段階でなにをせねばならないか、今後どうなるか、を手短(てみじか)に語っている。
 もし話の内容が必ずしも理解できなければ、中川会長の顔色と語調を毎日注目するがよい。医療現場の逼迫度と、警告・要請を無視したままなんら対応しない政府自民党の姿勢との狭間の困難にありながら、これから起こるであろう感染爆発・医療崩壊を予感しつつ、発言している。その逼迫度、いまなにをしなければならないかを感じ取れるだろう。


日本医師会長と言えば、かっては武見太郎会長のような政府自民党をも叱責するような大立者もいたが、今はそういう時代ではない。
 中川会長はコロナ勃発・第一波の3,4月の頃から常に現状と見解を冷静に報告していた。小池都知事のように、政治的なパフォーマンスをする人ではない。学術・科学としての医学の立場から、医療現場の最前線を把握している者の立場から、医療倫理に基づき医療行為を遂行する立場から、冷静に真摯に取組み発信している。
 この非常事態に遭遇した日本の医師全体の代表者として、適任の人を得たと言うべきであろう。


現在がどういう段階にあっていまなにをしなければならないか、中川会長の言う通りやればほぼ間違いないように思える。本来なら政府は中川会長に代表される日本医師会と協調して対応していけば良かったのである。
 ただ自民党政府のほうにそういった理解力を持ち得なかった、あるいは持とうとしなかった、あるいは気が無かった。たぶん今の自民党は、はじめからそういったことをしたがらないのだ。自分達がリードし自分達が決める。他人の意見に従うというのは権力の味を知り、自分が主人公だと思っている人間には認められないことなのだ。


最終的に首相が決めるのでは、その仕事の内容は、首相の能力の範囲で決められることになる。したがって器(うつわ)が大きければ大きな仕事ができ大いに発展するわけだが、器が小さければ成果は限定される。
 コロナ感染の症状の実態を知らず、発症や感染爆発のメカニズムやパンデミックはこれからどうなるかというようなことがわからずに、対策を指示するのは、戦場から離れたところで指揮をしているようなものである。菅首相は
(1) 戦線の司令官はまず最前線(医療現場)を自身で視察せよ。状況の認識から臨戦体制のアイデアが出て来るだろう。
(2)理系のブレイン(知的参謀スタッフ)をつけよ。
 就任以来、菅総理はスマホ値下げ、デジタル省設置、温室効果ガス排出ゼロ、外交でも中国、韓国に対する対応、「自由で開かれたインド太平洋構想」など、なかなかのパフォーマンスだ。しかし学術・科学・医学軽視の自民党体質から、こうした分野の具体的なケースでの理解、意義・重要性認識、対応策提起能力に欠けている。ふだんから適宜アドバイスする理系ブレインが必要だ。
(3) 日本医師会中川会長の提言に耳を傾けよ。そして対策・政策に取り入れよ。
 尾身会長ほか感染症の専門家は、社会統計・疫学的専門家で実際に医療現場で治療する人ではない。患者への医療行為を行うのは中川会長に代表される日本医師会ほか全国の医師である。中川会長の現場の状況把握と提言は、現状と今後の対応策を図るのに最も基本的で重要な情報である。
(4) 無症状~中軽症感染者を収容する1万人規模の臨時病院を1週間で建設せよ。
 GoToキャンペーン中止、緊急事態宣言でいずれ一定の効果は出るだろう。しかし再開すればまた元に戻るだろう。主たる感染源である若年~壮年世代の無自覚・無症状~中軽症感染者は放置したままであるからだ。彼らを隔離収容し治療する1万人規模の臨時病院を1週間で建設せよ。そうすれば終熄に向けて、顕著に効果が出るだろう。オリンピック開催には最終的にこうした対処が必要だろう。

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