zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

これはまた一体どうしたことだろう? 地方自治体からの緊急事態要請にこの危機感に欠けた対応は。チョロ火の1日延ばしと燃え上がる炎の1日遅れは訳が違う。山火事を前に消火はしばらく推移を見てからと言うようなものだ。資質が問われる菅総理。横綱審の判定は「注意」!! 即断できる指導者が必要。医療最前線を視察し、理系ブレインをつけよ。

年明け1月2日にますます拡がる感染爆発のデータが出てきた時、その場で即断すべきだ。これはもう1日を争う事態だ。しかし西村経済再生担当大臣は専門家の意見を聞いてから(総合的に)検討すると言う。随分間延びした対応だ。なんだろう、この感覚のずれは。今はそんな事態ではない。理系人間でないとわからないのだろうか。 そして正月休みが明けてから、首都圏首長が緊急事態宣言を要請してもすったもんだしてやっと。
 チョロ火の1日延ばしと背丈よりも高く燃え上がる炎の1日遅れとは訳が違う。自分の家屋ばかりか、さらには街全体の大火災になるだろう。
 今、関西圏および愛知県首長が要請しているが、菅首相は推移をしばらく見てからと。今や感染爆発が現出しているというのに、まだ3日ほど推移を見守ると言う。
-この感覚はどうだろう。信じられない!という感じだ。
山火事を前にして消火はいましばらく推移を見てからと言うようなものだ。


こうした現象のメカニズムを理解していないから、危機意識を持てないのだと思わざるを得ない。それに対し、病気発症のメカニズムを知り、現場の疲弊した状況を目の当たりにしている日本医師会中川会長は必死である。


 個人レベルでは、病気に感染していても発症するまで症状が現れない潜伏期がある。
 パンデミックのような社会レベルでも、感染が市中で進行しつつも、ある感染者密度の閾値(いきち、しきいち)を超えるまでは感染爆発は起きず気付かれずにいる。今回は第一波の後、昨年4月の緊急事態宣言が効き、一旦低下した後、再び8月に第二波が起き、その後また低下し、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長が来日した11月初め頃までの期間がこれに相当する。その後バッハ会長が帰国した頃から再び増加し第三波になり、12月以来の感染爆発に至った。
 生物・医学ではない非生物の化学反応速度論でも同じである。いずれも潜伏期や閾値があり、ある一定レベルの密度になると相乗効果で一気に爆発的に反応が昂進する。


こうした目に見えない、将来起こるであろう事象を予測するのが科学(学術)だ。
 日本医師会の中川会長は10月頃から警告し、11月末には必死になって訴えている。しかし政府自民党幹部には猫に念仏で全く効き目が無い。12月末には政府の決定を待つこと無く独自の行動指針を出すに至った。
 専門家、医師会の言うことなど、本気に取り上げる気はさらさら無い--決定するのは我々だと。災害が眼前に現出するまで危機度がわからない、理解し得ない、無視。自民党に特有の学術・医学軽視のどうしようもない体質である。
 今すぐ動かねばならないのに、ほかに打つ手が無い。菅首相がストップしているのではどうしようもない。
 -それにしてもこの一刻を争う危機状態にあるという状況を認識できぬ菅首相のずれはどうだろう。ここまで来ると、たいへん失礼な言い方だが、資質に欠けているのではなかろうか。より詳細まで言えば、危機管理を判断するセンスの中に必要な理系的理解力・推測能力だ。


この間(かん)、珍しく一度だけ即座に決断したことがある。昨年暮れになされた変異ウィルス流行に伴う全世界からの即日入国禁止だ。
-この措置は正しい。評価できる。これが本来なのだ。できるだけ初動段階で手を打ち、コントロール不能になる前に、制御が容易な段階で対策を打てば軽症で済み、早期に原状に復帰できる。しかしこれも抜け穴がある。ビジネス往来国からの入国はそのままなのだ。


就任以来、菅総理は、スマホ値下げ、デジタル省設置、温室効果ガス排出ゼロ、外交でも中国、韓国に対する対応、「自由で開かれたインド太平洋構想」など、なかなかのパフォーマンスだ。しかし日本学術会議委員任命拒否とその後の自民党議員の学術会議おろしへの突然の集合ぶりなど、学術・医学軽視の自民党体質は否めない。


天皇陛下は恐らく理系的思考能力、理解力を有している。なぜなら自身で研究を行っているからだ。昭和天皇、平成天皇(現上皇)は生物学の研究者で論文も書いている。また理系学者を含む第一人者から、講書始などで定期的に人文科学・社会科学・自然科学のご進講を受けている。
 特に昭和天皇は戦争を経験し、戦前から戦後のすべての首相に接している。しかし当然のことだが何も語らぬままに崩御した。
 ただ一度だけ、おらが宰相、田中義一内閣の時だけ、勃発した満州事変に対して当初厳しく対処すると言っていた田中首相が陸軍を慮(おもんばか)ってうやむやにするようになった対応に怒って、田中の話はもう聞きたくないと言って上奏を受けたがらなくなった。田中首相は驚愕し、程なくして頓死した。元老から陛下が意見を差し挟むことは良くありませぬと言われてその後見守るだけの姿勢に徹し、唯一の政治的行為はポツダム宣言の受諾・終戦決定の聖断のみである。


終戦後すぐの頃、疎開していた当時皇太子であった現上皇に、日本は科学を軽視して負けたと言うようなことを手紙に書き、少年であった皇太子は、その頃研究試作からようやく製品化が実現されつつあった電子顕微鏡の製作会社で、電子顕微鏡操作盤に座する写真が残っている。
 当時、細菌・病原菌(大きさ1ミクロン=1/1000mm)は光学顕微鏡で観察できたが、ウィルス(大きさ0.05ミクロン)は光学顕微鏡では見えなかった。電子顕微鏡によりその後ウィルスは観察可能になり、今日ニュースで毎日出てくる丸い環状のコロナウイルスを見ることができるようになった。(コロナ-Crown-は丸い王冠の意。新型コロナウイルスは王冠のような形状をしている。)


戦後もう一度、似たことがあった。福田赳夫氏は長いこと本命と目されながら池田、佐藤、田中角栄などに先を越され、ようやくなった首相であったが、野党の内閣不信任議案提出の際に予期無く大平派が賛成に回ったために倒閣した。大平首相が上奏していると昭和天皇は一言も答えない。次第に脂汗をかき(と思う-推測)、恐る恐る見上げると黙したまま。上奏を終えて戻って来た大平首相は「ありゃーないよ。」とぼやき、かなりショックだったようだ。このこととは特に関係無いが、大平内閣もその後突然の自民党他会派の反乱で解散総選挙になり、選挙演説中に心臓発作を起こし頓死した。
 霞ヶ関近くの虎の門病院は一国の首相の命を救えなかったと言うので、その後、心臓循環器外科のレベルアップを図った、とこれは人から聞いた話である。
 現在の(令和)天皇は確か水運の歴史の研究だから、臆測だが、資本の蓄積と水運の発達や技術の進展など、経済史的、技術的専門思考によく通じているのではなかろうか。


自民党の議員の多くは研究生活を送った経験は恐らく無い。だから学術がなんたるものか、必ずしもわかっていない可能性がある。
 恐らく政党的には、若手の科学者がTVなどに出演して国民にアピールするパフォーマンスを示すようなことを夢想しているのかもしれないが、例えば日本学術会議の存在価値、存在意義はもっと違ったところにある。


できるだけ初動の段階で徹底的に手を打つのが最も効果があるし、また対応は容易である。
今日の感染爆発・医療崩壊には、菅首相の対応手法に責任があると言えるだろう。
 昨年11月末には日本医師会中川会長は必死になって対応を訴えていた。この時点、あるいは12月初めに踏み切ればまだ大事にならずに済んだろうし、オリンピック開催もそう疑念が持たれなかっただろう。


本質的なことは、生活の隅々までインターネットやIT,AIなどで成り立つこの現代日本社会にあって、国会議員や法曹界の人材に理系人間がほぼ不在なことである。
https://zepekabu.muragon.com/entry/12.html


目に見えないもの、状況を予測するのが科学である。
 菅首相は理系のブレイン(知的参謀スタッフ)が必要だ。自衛隊には当然テクノクラート(技術官僚)がいるはずだが、国家を先導する政権中枢のブレインにも理系テクノクラートを配するべきである。
 大きな声で言おう。菅首相のコロナ対応に対する横綱審議委員会の判定は?
--現時点のままでは、「引退勧告」一つ前の「注意」!!
https://zepekabu.muragon.com/entry/47.html


菅首相は理系ブレインをつけ、そして医療最前線の現場を視察すべきである。

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