zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

米国は二つの二正面作戦に耐え得るか-露(ウクライナ)と中国(台湾有事)、北朝鮮とイラン。

*)北朝鮮に米国が警告・対峙すると、イランが鳴動する
 北朝鮮は、朝鮮戦争はまだ終了していない、敵国米国の攻撃から防衛するとして、ミサイル・原爆の開発を進めて来た。これに対し、米国・同盟国・国連は非難し経済制裁などを行ってきた。米国が軍事的圧力も強めると、あるいは国連や周辺国からの非難制裁が強まると、北朝鮮は今後は開発を断念すると言って、一旦はミサイル発射などを停止する。
 こうして米国が北朝鮮に対して強硬に対峙すると、しばらくしてなぜか・いつも・必ず、イラン問題-核開発や、サウジアラビア・イスラエルなどに対する攻撃ほか-が再燃してくる。
 イランと北朝鮮は連携しているのか。裏で秘かに手を取り合っている-その可能性はある。過去に北朝鮮の原爆開発の技術がイランやパキスタンに流れた可能性もある。あるいはロシアが両者に対して画策する可能性もある。そうでなくとも米国が二正面作戦には手が回らない時であり、そうした状況を見計らっての策動であることは確かである。
 いずれにせよ、米国は二正面作戦をしない。二正面作戦になりそうになると、イランの問題にかかりきりになる。
 米国にとっては北朝鮮よりもイラン問題のほうが優先事項である、地政学的にイランは周辺の湾岸諸国やイスラエル周辺のパレスチナ・シリアなどへのシーア派軍事勢力の浸透、ロシア・中国との連携・影響力増大、石油資源危機、欧州への影響などより広汎な国際問題になりやすい。
 北朝鮮は相対的により局地的、ローカルな、限定された問題である。こうしていつも北朝鮮問題は放置したままになり、関心はすべてイラン問題にかかずりあうことになる。
 しかしこれは日本にとってはいい迷惑である。


米国の手薄な間に北朝鮮は核実験・ミサイル発射を再開する。そしていつも米国の監視から逃れた北朝鮮は、さらに核開発、ミサイル発射実験を心置きなく進め、そのたびに進歩してくる。


日本の高名な外交専門家・評論家の中にも、北朝鮮や中国と対立するのはよくない、関係を緊張させるべきではない、平和をめざすべきであると言って、手を出すのは良くない、物事は平穏にと説く人達がいる。まるで日本とは関係無い、国際的に孤立していればよいというようなものだ。しかしその結果が、野放しのままエスカレートして、もはや手に負えないものになってしまっている。
 北朝鮮はいまや日本どころか、米国本土に届く大陸間弾道弾ミサイルの開発に成功し、最近では超音速ミサイル実験にも成功している。さらに封印していた核爆発実験も再開すると言っている。
 初動段階での対応をおろそかにした米国あるいは日本の責任でもある。


*)米下院議長ペロシ氏今晩訪台か?。中国、座視しないと警告。
 米国大統領にもしものことがあった場合、副大統領に次ぐ継承者である下院議長ペロシ氏。議員団を率いての東アジア歴訪中、台湾を訪問するかしないか、かねて焦点であった。正式なアナウンスは無いが、本日(令和4年8月2日)深夜、台湾到着予定との報道である。中国は、中国軍は座視しないと強く警告している。
 予断を許さない状況である。


*)中国にとって軍事的に台湾有事を仕掛けるのは、いつがよいか
 習近平国家主席は、この秋党則を変更しての三期目続投をもくろみ、無事確定すれば、台湾併合へ本格的に取り掛かると見られている。
 それがこの2,3年内なのか、10年位の期間なのか-国家主席の任期は7年と言うことだから、恐らくそれ以前だろう。いずれにせよ、そう遠くない近未来である。


米国ほか自由主義陣営が台湾併合を認めないとすると、軍事的に決行することになるかもしれない。
 その場合、いつ仕掛けるのがよいか。
台湾は至近距離にあり、国土も小さい。ロシアのウクライナ侵攻が当初の見込みとは異なり、長期に長引いているのを見ているはずだ。一気呵成に短時間で完遂してしまおうとするはずだ。それにはいつがよいか。


*)米国に二正面作戦を強いる
 米国の対応が手薄になる時を見て一気に完了する。これが最良である。それには米国が二正面作戦を強いられている時がよい。
 いまロシアのウクライナ侵攻は長引いている。ある意味、現在は非常に都合が良い状況にある。ロシアによるウクライナと中国による台湾への同時侵攻である。
 状況を見ていて好機が訪れた時に、(1)例えば北朝鮮が核実験・ミサイル発射を強行し、同時にイランが周辺国を策動する、(2)ウクライナとその周辺国が危機に陥る、同時期に中国が南シナ海で台湾目がけて強襲する、あるいは(3)それらの双方の二つの二正面作戦が同時に起きるなど、米国の防衛支援力が手薄になった時を見計らって一気に、あるいはプーチンが使って半ば成功しつつある核使用の可能性もチラつかせて、かもしれない。


*)米国は二正面作戦を余儀なくされた場合、どちらを優先するか
 ロシアのウクライナ侵攻と中国による台湾侵攻のどちらが、米国にとって、あるいは世界的により重大か。
 米国は恐らく台湾有事を優先するだろう。
台湾占領を習近平になさしめた場合、その影響は周辺国だけでなく、インド太平洋全体、さらに米国を越えて全世界の覇権を手中に収めることを許す結果になる。
 ウクライナは占領されてもただちに全欧州に拡がる訳ではない。ロシアが漁夫の利を得るかもしれないが、欧州にはNATOがあり、ある程度彼らに任せることができる。


*)中ソによる日本への軍事的圧力-中ソ海軍による日本列島周回共同示威行動
 このところ中国とロシア海軍は共同で、日本領海すれすれに日本列島周回行動を繰返している。いつでも攻撃できるのだという、日本に対する見え見えの示威・威嚇である。両国空軍もまた領空侵犯すれすれの行動を行っている。日本もなめられたものである。中ソ両国とも当然日本を仮想敵国として研究した上での共同作戦てある。状況によってはいつ接触、衝突が起きても不思議ではない。台湾有事・北朝鮮有事などの状況によっては一触即発、さらに戦闘状況が起こり得る可能性もある。


*)有事に対する日本の出方が鍵を握る
 故安倍元首相は台湾で開かれたシンポジウムでオンライン参加し、台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもあると発言している。
 米軍関係者は南シナ海・東シナ海における軍事的バランスは、今は中国のほうが上だと言っている。
 有事に対する日本の出方が鍵を握ることは間違い無い。岸田首相は日米同盟、日米豪印戦略対話(クアッド)とともに、EU、NATO、G7のインド太平洋への関与を引き出し、今後の安全保障への布石を打つ試みを続けている。

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