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魚のアラ料理、和食の美味、秋刀魚の記録的不漁-日本食のおいしさを海外にあまり宣伝するな!

NHKラジオ第1放送の{昼の憩い」であったか、「深夜便」であったか、リスナーが投稿した魚のアラ料理についての思い出を味わい深く聴いた。


 子供の頃、実家が海の近くにあり、よく母が魚のアラを買ってきて料理してくれた。
その当時、何の不思議にも思わず、ごく普通の当たり前の料理と思って食べていた。
 結婚して夫に作って出したところ、なんだこんなものと全く受け付けてもらえなかった。
それ以来、作ることもなく忘れてしまい、時が流れた。
 夫が亡くなったいま、子供の頃のこと、母のことを思うようになり、母が作ってくれた料理のことも憶うようになった。
 あの頃は、誰でも食べている普通の料理と思っていた。食材の種類がそんなに多い時代ではなかった。母が作ってくれた料理を皆おいしいと食べた。
 今は一人になって、もう作ることもないが、子供達に作ってくれた母のことをよく想い出す...
といった内容であった。


嗚呼、これこそ地元で採れた素材の良さと調理法を知り尽くした人の家庭料理ではなかろうか。


スーパーに行くと量が多く安く売っている。これを料理すればお得だが、どう料理したらよいのだろうと思うことがある。
 アラの旨みを引き出せるのは、生活に海が馴染んだ土地柄ならではの料理だろう。
 昔は兄弟姉妹が多かった。食べ盛りの子供がたくさんいる家庭には最適の料理だ。
料理店ならまかない料理になるのかもしれない。


夫は受け付けなかったということだが、食事の好みは肉派と魚派に分かれるから、肉派だったら見かけが悪くにおいもそれなりにする魚料理は、受け付けられないのも無理はないのかもしれない。


 しかし普通は余り物という感じで見られるアラを活用しておいしく食べる技術こそ日本料理の粋だろう。高級料理ではないかもしれないが、おいしく活かせるかどうかは料理人の腕の見せどころだ。
 落語の「目黒の秋刀魚」ではないが、うまいものに貴賤は無い。
立ち食いの一杯飲み屋で出すこともあるだろうか。


 昭和20~30年代、戦前生まれの人は子供がご飯を残すともったいないと言ってフーフー言いながら無理して食べていた。この世代の人達は食べ物を捨てることができなかったのである。
 カルシウム不足を補うためとして、食べ終えた魚の骨を火鉢で焼いて食べたりした。不溶性のカルシウムはそんなことで吸収・摂取されるとは思えないが。
 ほとんど食べるところの無くなった魚を眼の裏側はおいしいと言って突っついていた。


 こうした日本ならではの魚のアラ、納豆、塩辛、梅干し、漬物、秋刀魚の塩焼きなどの料理は、欧米人には受け付けられないだろう。ヨーロッパで魚を焼いていたら、死体を焼く臭いがすると近所中から苦情が殺到したという話は何人かから聞いた。
 ところが欧米人とは違って中国、台湾、朝鮮の人々は、言語・思考様式や行動パタ―ンも違うのに、体質的に近いたちなのか、カラオケなどの歌や食べ物などの好みは結構近いようですぐ受入れられる。
 日本の演歌や例えば谷村新司の昴(すばる)などは中国でも人気があるようだ。
日本で納豆を買って帰る韓国人もいる。


今年は秋刀魚が記録的不漁である。
庶民の味-さんま。
 新鮮な食材を見極め、素材の味を損なわずにあっさり調理し味わう日本料理。
とは言っても、欧米人には秋刀魚の塩焼きは無理だろうが、...。
ところが体質が似ている中国人にはうまさがわかるものらしく...。


 中華料理ではカニやエビはもちろん高いが、魚も結構高い。本来、中国は大陸だから、魚は淡水魚に限られ、鮭や秋刀魚は出てこない。鯉(こい)などをたっぷりと熱を通して料理する。
 フランス料理でも魚や貝は Fruits de Mer(直訳では「海の果実」)と言って、ニンニクなどを使って調理され、うまいが肉より高い。
 いずれも熱をかけてこってりと料理する。


中国人が秋刀魚をうまいうまいと言って食べ始めたらたいへんだ。
 さんまの塩焼きなどがホテルの朝食のヴァイキング料理に出るのでは、いくらあっても足りない。我々からすれば何匹もの焼き置きの秋刀魚は冷たくておいしくないのだが、今までの中華料理で経験しことのない調理法や味を一度試して知ると、なかなかイケルということになるのだろう。


 既に寿司の美味グルメは世界中に知れ渡り、まぐろの資源量は減少しあまり食べられなくなりつつある。
 ここにきて、庶民の味、秋刀魚よ、おまえもかっ...!!
 気候変動による海流の変化のせいもあるだろうが、日本近海で領海外ではあるが領海のすぐ外に中国船が近年現れるようになり、領海に秋刀魚が入る前に大量に取っていく--そうした影響もあるのではないか。


これ以上、日本食は健康に良い、旨いなどと外国には教えないほうがよい。
 アラまで有効に活用する日本料理と違って、捕っては無駄な使い捨てをする外国が参入して来れば、鯨の時と同様、資源がみるみる減って、挙げ句の果ては捕獲規制などと言ってくることは目に見えている。

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