zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

習近平の訪露(短縮版)

*)いま何故モスクワに行くのか
 習近平は近いうちに、訪露を予定していると言う。
在職への年齢制限の規約を改正した上での、3期目主席再任をなし終えた後、プーチンとは既に中央アジアの会議で会っている。ウクライナ戦争支援へのプーチンの要請に対し、習近平は軍事的支援には踏み込まなかった。


*)習近平の思惑
 それを何故あらためて、それも自身がモスクワに出向いてまで、行く必要があるのか。
ウクライナとの調停を買って出ると言うのでもあろうか。
 習近平が強大な友好国と会談するとなれば、話題として台湾問題が出ないということはあり得ない。


*)台湾侵攻へ踏み切るのはいつがよいか
(1)西側の支援が奏功し、ウクライナが完全な勝利を得た後
-その時点で台湾有事を起こしたら、各国から、また事を起こすのか、ウクライナ戦争からなにも学んでいない、と非難を浴びて、分が悪いだろう。
(2)ロシアが占領地の確保を確実にして勝利宣言した後
-欧米各国は、また同じ結果にしてはならないと、気を引き締めて対応しようとするだろう。
(3)解決が長引き、今のまま泥沼化した状態が続く
-ロシアの侵略に対して結束している西側諸国も、支援疲れが表面化し、国内では国民から外国の支援よりも自分達の生活支援のほうが先決だという声が多くなりつつある。そうした状況で台湾有事が勃発したら、また同じ問題か、と嫌気が差すばかり。国民の反対を押し切っても習近平の企てを阻止するべきか。自分の支持基盤が危うくなる可能性もある。強力に対抗することは適わない状況になる。
 これは中国にとっては、外交的、地政学的、軍事的観点から、台湾侵攻がやりやすい、好ましい状況である。


*)ウクライナ紛争が長引くほど好機-米国に二正面作戦を強いる
 いまの事態はできるだけ長引くほうがよい。軍事バランス的には、米国に二正面作戦を強いることになるからだ。
 中国の台湾侵攻の際、米国は阻止しようとする壁になる-これを打破するには、ロシアの協力・支持が必要である。


*)ロシアの側方支援-自衛隊を牽制、核ボタンをちらつかせる
 中国が台湾侵攻を開始する際、ロシア海軍は日本近海に出没して自衛隊を牽制し、台湾方面での米軍への協力を困難・不可能にする。
 最近の自衛隊の防備は、東シナ海・台湾近海の島嶼防衛への比重が大になり、伝統的な北方の対ソ連・ロシア防備は手薄になっている。
 さらに、米軍が本格的に軍事出動し台湾防衛に出ようとすれば、プーチンが核攻撃をちらつかせて米国の本格出動を牽制するように依頼する。米国が二の足を踏む間に、中国軍は短期決戦で台湾占領を果たす。


*)台湾侵攻の政治的環境作り
 台湾侵攻は米軍の不意を突き開始する。軍事的には既に米軍・台湾軍を圧倒する軍備の準備はできている。第一線の兵士達の士気は高い。彼らは挫折を知らない世代である。この日を期し、長い期間準備し訓練を重ねてきた。あとは発令を待つばかりである。
 しかし失敗はしないほうがよい。
適切な環境を整えること-これは政治の問題である。
米軍とのパワーバランスの中で、ロシアの介入・協力は不可欠である。そのための地ならし、地固めをしておくことは重要・不可欠である。


*)助力を欲するプーチン
 プーチンは藁にも縋る気持ちで助力が欲しい状況にある。中国は表立っては、ウクライナ戦争に関し中立的立場を表明し、軍事的支援は行わないとしている。しかし米欧への対抗からロシアを実質的にサポートしている。


*)交換条件を交わし秘密協定を結ぶ
 習近平は、台湾有事の際のロシアの支持、軍事的協動行動、米国を牽制する側方支援、日本への牽制・軍事的拘束等を取り付ける必要がある。
 そのために秘密裏に交換条件を提示する。
表立っては中立を保つが、実質的にロシアを援助する。経済的に、外交的に、さらに軍需物資ではないが、軍事転用がすぐに可能な民生品、あるいはパーツとして転用可能な半導体を多く装備する商用物品などの形で、軍需装備品の面からも大規模に支援すると。
 その代わりに、台湾有事での中国の立場を支持・補強・軍事的協同行動を実施し、台湾占拠の実現に協同して行動するという確約を得る-等々の秘密協定を結ぶ。
 台湾侵攻を発動するにあたっての裏を固めておく-これが訪露の最大の眼目ではないか。そして一瞬の軍事的・外交的・地政学的空白を狙って、一気に短時日で決着する。


*)保守本流の道を歩む岸田首相
 国家の存立危機事態への対処能力を整備し、外交的・国際的・地政学的安全保障の枠組みを構築しておく-これらは為政者の責任である。
 岸田首相は、概ね上述した事態が起きることを想定し、それに備える方向で外交・防衛を組み上げるべく動いている。

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