zepeのブログ

いつも株を買っては損を抱え込む長期低迷投資家

五輪観客への酒類販売。国民から憤激の声多し。スポンサーに違約金を支払い中止がベスト。コロナ対策良し・スポンサー良し・五輪の理念良し・開催国日本の大義良しで四方良し。

*)憤激の声多数。五輪観客への酒類販売案。
 五輪観客への酒類販売案。国民から憤激の声多数。明らかにコロナ感染を助長。緊急事態宣言・蔓延防止等重点措置施行下で酒類提供は制限され飲食店も顧客も我慢しているのに、五輪は許される。誰が見てもおかしい。東京都医師会長が言うように、感染伝播・医療圧迫を引き起こす、そもそも五輪競技・試合の挙行には必要の無い問題ではないか、というのが誰しも抱く妥当な意見である。


*)五輪の資金源と開催時期
 ステークホールダーというあまり馴染みのない、意味がよくわからない言葉が出て来た。オリンピックでは米国のゴールデンアワーに合わせてTV放映するために、開催期間や試合時間が左右され、以前から問題と指摘されていた。
 なぜわざわざ猛暑下の真夏に五輪を開催するのか。前回の東京五輪は1964年10月10日、晴れの特異日に始まり、気候が日本で最も快適な季節に開催されたのに。
 プロ野球やゴルフ、サッカーの大会などと同様に、オリンピックの財政的基盤はTV放映権という莫大な収入源に依存している。ビッグスポンサーである米国のTV放送局は春も秋もアメリカンフットボール、バスケットボール、プロ野球などでスポーツのTV放映スケジュールが詰まっている。だから日本が開催時期を決める選択肢は無かったのだろう。


*)なぜマラソンが札幌に?
 そしてなぜマラソンが急遽札幌に移されたか。
東京オリンピック2020の前年9月末~10月初め、中東カタールのドーハで開催された第17回世界陸上競技選手権大会では、日中40度前後、夜間でも30度超という中、マラソン、競歩は暑さを避けるため深夜に実施されたが、それでもリタイアー、脱落者が続出し、競技参加者から死の危険性もある、レースをやる状況ではないという非難、批判が続出した。
 ドーハから1ヵ月もしないうちにマラソン・競歩の札幌開催論が突如聞こえて来た。開催都市東京には全く事前の協議が無いまま、来日したIOC(国際オリンピック委員会)の委員は初めからもう決まったことだと全く議論を受入れる余地の無い態度に終始した。
 高温多湿の時期に開催を決定した責任に対する非難にIOC執行部が危機意識を抱いたからこそ、有無を言わさず変更したことには間違いない。アスリートファーストといかにも正しそうで反論できないようなことを言うが、元はと言えば、参加選手から非難を浴び、自分達執行部の決定への非難躱し(かわし)のためである。その元はと言えば、東京の夏は高温多湿で暑苦しいことはわかっているのに、8月に決めたことであり、その元はと言えば、ビッグスポンサーである米国のTV会社が視聴率のためその時期を指定しているからである。


*)観客は日本人だけ、酒を飲む姿が世界中にTV放映?
 そして五輪観客への酒類販売である。契約でビール会社に酒類の独占販売権があるという。これもオリンピックの資金源である。通常なら野球やサッカーなど暑さの中、飲みながら観戦して楽しむ-至極当たり前のことかもしれない。ただコロナ下である。酒で気持が大きくなり絶叫したり肩を組んだりすれば、カラオケ以上の肺からの吐息、飛沫、唾液が飛び交う危険な状況になる。
 それに観客は日本人だけである。もともと海外観客は受入れず、日本人のみという不自然なTV映像。その上、コロナ下で酒を飲み放題となりゃー、どんなものだろう。いやそうした応援に興じる姿を見るのはおもしろいという意見もあるかもしれないが、やはりコロナの困難な状況下にある人々からは不謹慎、日本人のイメージを汚すと思われるのではないか。


*)五輪開催で得をしたか?、損をしたか?。
 日本はこのオリンピック開催で経済的利益を得たか?。海外からの観客受入れなしで赤字は明らかだろう。
 しかし短期的経済性だけでは測られないものがある。


*)経済的損失を出しても、中止がベスト-四方良し!
 独占販売権がどれだけの金額のものか知らないが、恐らくIOCから来た問題だろうから、相当なものだろう。
 どうしたらよいか?-ここは経済的損失を被ってもスポンサーに違約金を支払い中止するのがベスト。その理由は?
(1)コロナ対策良し
 もちろんコロナ対策上、酒類提供無しが最も良い。東京五輪は今後の大会の見本、指針となる大会である。理念・大義のある大会を心掛けるべきである。
(2)スポンサー企業に損は無い
 スポンサーは当初の見込みの利益額は得られないとしても違約金はただ取りである。また実施した場合、コロナ下でビールを飲む観客の姿が世界中にTV放映されれば、反感を買うのは間違いない。企業のイメージが損なわれる。
 中止となればこれが避けられる。もし企業が自ら時下の状況に鑑み販売を中止すると発信すればむしろイメージアップに寄与するかもしれない。またノンアルコールにとってはチャンスである。いずれにせよ、スポンサー企業に損は無い。
(3)五輪の理念
 東京大会は今後の指針となる世界標準を創ることになる大会である。過度な商業主義に堕さず、五輪の崇高な理念を守る運営に努めるのは意味がある。
(4)開催国の大義
 開催国日本は、五輪の理念、人類が困難と闘う姿、東京方式とも言うべき世界標準の提起という意義。コロナパンデミックの困難な状況下での開催という大義を示すことができる。
 歴史に残る大会、永久に記憶される大会。これはある意味、千載一遇のチャンスである。コロナ対策良し、スポンサー良し、五輪の理念良し、開催国日本の大義良しで四方良し。


*)東京五輪・パラ組織委は世界標準の確立に向け努力せよ
 東京オリンピック・パラリンピック2020はたとえ経済的に見返りは無いとしても、試行錯誤し努力を盡くした結果が残る。今後世界中の同様な困難な状況下で開催される国際大会の参考となる。大会挙行、終了で終わりではない。東京五輪・パラ組織委には試行錯誤と努力の中から導き出した指針を、東京方式・世界標準としてまとめ提示する仕事が残っている。開催国日本は大義を貫き、大義を残す、ことに注力する。

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