千葉台風被災への初動対応-安倍首相の答弁に失望。 折しも新たな超大型台風接近中-政府・地方自治体の対応やいかに?
千葉台風被災への初動対応に対する安倍首相の国会での答弁(R1/10/08)には失望した。野党に追求されぬよう政府の対応に問題・責任はないとの自己弁護に終始した。
この答弁に違和感を覚えた人は多いのではなかろうか。
これだけ被災者が困難な状況に陥っているのに、政府は正しく対応したというのは強弁と言わずしてなんであろう。
首都圏の中で停電が10日以上続く異常事態-被災地は自己弁護のきれいごとで片付けられる状態にはない。
なにしろ地方自治体、国の動きが遅い-停電で情報が取れないから動きようが無いのだという。
阪神淡路大震災の時はCQやハム無線などの活躍が報じられたが、今回はそのような噂は聞こえてこない。アマチュア無線も停電で使えないということか。
すべては東電待ちで、国と地方自治体の出番はその後である。従って責任は東電にあり、国・地方自治体ではないという姿勢である。
これでは来たるべき東南海地震ではどうなってしまうのだろう。
遅きに失したとはいえ、初動対応に関する検討委員会を設置したのはよかった。
問題は災害発生中からもっと早く対応すべく関係方面を出動させ被害を最小限に食い止めることだ。
激甚災害指定は災害が終わってから出てくるものだ。
地方自治体、国は大被害が予想される場合には、東電任せにするのではなく、最初から責任を引き受けて前面に立つべきだ。
昨年(1998)の北海道の胆振東部地震では、ブラックアウトに伴う停電で、
停電、断水、電話・インターネットの不通、スーパーでの食料品の払底、ガソリンスタンドの閉鎖
など、全く同じ経験をした。
しかし胆振東部地震では電源元(発電所 )のダウンだけで 供給網は無傷だったから立ち直りはスムーズだった。千葉では
猛暑下、人口密集地、同時多数の要修理個所発生、長期の停電(札幌では2日ほど)
の点でより深刻である。
これらをすべて東電の責任とするのは為政者のあるべき姿ではない。
東電は発電、給電の専門であるが、立木や電柱、家屋、道路の修復・事故対応では必ずしも専門ではない。
東電と地方自治体、国が情報を共有し、問題の対応に連携し、対策を専門や得意とするところで分担すべきである。
胆振東部地震の後、北海道では以下のような対策がなされている。
(1)多くの店舗、コンビニ、事業所などで自家発電機の導入
(2)コンビニやスーパーマーケットと大手自動車メーカーとの電気自動車バッテリーを利用した非常時電源の供給提携
(3)一戸建てでの電気自動車からの電源供給システムの販売
こうしたことは首都圏にはまだ全く活かされていなかった。
国・地方自治体と①電力会社、②大手自動車メーカー・コンビニ(電気自動車の非常時電源活用)、③スーパーマーケット(食料品)、④石油会社、⑤鉄道・宅配業者が災害非常時のために連携協定を結び、停電ほか非常時に電力会社待ちではなく、各担当領域一斉に出動できる体制を早急に構築すべきだ。
さらに自衛隊は少し出ていたようだが、震災が終了してからではなく、大震災と認識した時から大規模出動を発動すべきである。
その決断はいつすべきか。
情報が集まらず事態が把握できない中でも、停電が1週間続くと見込まれた時点で、間髪を入れず政府は非常事態と判断し自衛隊の出動を決定すべきである。
以上の提携整備は来たるべき東南海地震に対する最も有効な防災対策となるはずである。
折しも今年最強といわれる超大型の台風19号が接近している。
-政府・地方自治体の対応やいかに?
停電で情報が入らないから事態を把握してから動くなどと今度は言わないでほしい。